「髪型崩れる」「暑くて」 努力義務化の「ヘルメット着用」 値引きで若者へアプローチも

道路交通法が改正され、4月1日から自転車に乗る際のヘルメット着用が努力義務化されます。着用を呼びかける動きが活発化する中、ヘルメットをお得に購入できるサービスや補助も出てきています。

<警察の呼びかけ>

「あすから自転車のヘルメット義務化です。よろしくお願いします」

3月31日朝の静岡県のJR菊川駅前。努力義務化を翌日に控え、警察は高校生らに対し、ヘルメットの着用を呼びかけました。周知徹底を急ぐ背景にはヘルメットへの冷めた見方が…。

<チラシを受け取った高校生>

「髪型とか崩れちゃうし、暑くなってくると蒸れたりするので、あまりよくは思ってないです」

「冬とかはかぶれるんですけど、夏とかは暑くて(かぶれない)」

こちらは31日朝の静岡市葵区駿府町。ヘルメットを着用している人は全体の1割程度にとどまっています。4月1日からの努力義務化を控えヘルメットの着用を加速させようという動きが広まりつつあります。

<竹川知佳記者>

「静岡市市街地の自転車店です。ヘルメット着用の努力義務化に伴い、こちらのお店では10%オフセールを実施しています」

静岡市葵区御幸町にあるル・サイク静岡モディ店では、2月からヘルメットの値引きをスタート。

<ル・サイク静岡モディ店 森弘輝店長>

「ここにいっぱいあったんですけど、きのうの駆け込み需要で在庫がなくなってしまったので、すっからかんの状態です」

これまで自転車の愛好家以外には、ほぼ売れなかったヘルメットが予想以上の人気になっています。ただ、購入するのは高齢者や会社から購入を求められたサラリーマンが中心で若い世代の動きは鈍いということです。

若い世代へのアプローチを進めている自治体も。藤枝市は市内の17店舗と提携し、ヘルメットを2000円引きで買える補助を1日から開始します。

<藤枝市 交通安全・地域安全課 小林仁課長>

「藤枝には6校の高校があり、9割を超える生徒が自転車通学をしています」

藤枝市内では自転車事故のうち3割に高校生が関連していて、あえて予算を組んでまで若い世代を守ろうとしているのです。強制力も罰則もないヘルメット着用の努力義務化。若い世代へのアプローチは今後も大きな課題です。

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