中須賀克行、25連勝「想定タイムより遅かったけれど、優勝できてよかった」/2023全日本ロード第1戦もてぎ JSB1000 レース2

 4月2日、2023年MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第1戦スーパーバイクレースinもてぎ JSB1000クラスの決勝レース2が栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われ、中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が優勝を飾った。2位は岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2)、3位は名越哲平(SDG Honda Racing) となっている。

 曇天で始まった最終日。風は冷たく、不穏な黒い雲も見え隠れしていたものの、薄陽も射す微妙な天候。最高峰クラスのレース2はレース1よりも5周多い20周という周回数が設定された。

 スタート直前のウオーミングアップ走行が始まったと同時にストレートで星野知也(TONE RT SYNCEDGE4413 BMW)が転倒というアクシデントが発生。それでもスタート進行に影響を与えることなく、午後2時に決勝の火蓋が切られた。

 スタート直後の1コーナーでは岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2)、中須賀、水野涼(Astemo HondaDream SI Racing)がポジションを争う。この3台に作本輝介(Astemo HondaDream SI Racing)、名越哲平(SDG Honda Racing)が加わり5台が先頭集団を形成。後方では岩田悟(Team ATJ)、津田拓也(AutoRace Ube Racing Team)、亀井雄大(YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN)が転倒という波乱のスタート。

オーバーランした亀井雄大(YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN) /2023全日本ロード第1戦もてぎ JSB1000 レース2

 オープニングラップを制したのは水野。中須賀は虎視眈々と2番手で周回を重ねる。その中須賀をねらうのは岡本。その間に秋吉耕佑(MurayamaUnso.Honda Dream.K.W)が追い上げてトップ集団は6台に膨れる。

 5周目。雨が降ってきたことを示すレッドクロスが降られる。水野がほんのわずかにラインを外し、中須賀がトップに浮上、ペースを上げる。水野は中須賀の背後につけて周回。作本、岡本、名越は3台での表彰台争いの様相。秋吉はペースを落として単独6番手走行を開始。

2023全日本ロード第1戦もてぎ JSB1000 レース2

 雨脚は強まることなく、レースはそのまま続行された。じわじわと水野を引き離す中須賀。10周終了時点で水野に対して2秒半のアドバンテージを築く。3位争いは10周目に集団トップ浮上の岡本が名越、作本を引き離しにかかる。

 13周目。再びレッドクロスが降られる。中須賀から離された水野に、3位争いを制して追い上げてきた岡本が迫る。名越も岡本と共に水野に迫り、3台での2位争いに。
14周目に岡本が水野を捕らえて2番手浮上。猛然と中須賀を追いかけ始めるが、中須賀は7秒ほど先行。

 ラスト4周。息を吹き返したかのように水野が岡本から2番手奪回。翌周には名越が岡本を捕らえて3位浮上。名越はさらに水野をもとらえて2番手浮上。ラスト2周。岡本と水野が順位を入れ替えながらの激しい3位争いを開始。その間に2台との差を広げたい名越。しかし3台は離れることなく過激なバトルを継続。

 中須賀は淡々とひとり旅を続け、10秒近い差を持って開幕戦ダブルウイン。25連勝を達成。最終ラップの最終コーナーまで激しく争われた2位争いは岡本に軍配。YAMAHA FACTORY RACING TEAMがレース1に続いてワンツーフィニッシュ。名越が3位フィニッシュでレース1と同じ順序で同じ顔ぶれが表彰台に立った。

2023全日本ロード第1戦もてぎ JSB1000 レース2

■中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)JSB1000決勝レース2:優勝
「最初は水野選手の後ろにいましたが、ブレーキが鋭くて、新燃料でエンジンブレーキも難しい状況で、想定タイムより遅かったけれど抜きどころは少なかったです。水野選手がミスをした隙をついて前に出て、自分のペースで走ろうと思ったところで雨が降ってきました。引き離すならここだって、リスクを負ってタイムを落とさずに走った結果、差を築くことができました」

「雨粒は大きくならず、アスファルトの匂いもしてこなかったので、これなら大丈夫だなって思いながら走りました。難しかったけれど優勝できてよかったです」

■岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2)JSB1000決勝レース2:2位
「100%プッシュして走りましたが、ほぼ1周目からバトルに飲み込まれてしまいました。その段階で、いいタイミングで中須賀選手はペースアップしていて、自分はそれにもついていけず、常にだれかとバトルしていました。結果はすごく残念ですが、おもしろいレースでした。優勝できなかったのは悔しいし、差を広げられたのも悔しいですが、完走できたのはよかったです。次戦に向けてのデータも取れたので、さらに頑張っていきたいです」

■名越哲平(SDG Honda Racing)JSB1000決勝レース2:3位
「レース後半にしっかりとポジションを上げられたのはよかったですが、水野選手と比べても前半にペースが上げられないことが課題です。レース復帰からたくさん周回でき、まずは完走できたことと、2レースで表彰台を獲得できたことは重要だと思います。この先のシーズンにとっても、この場にいられることが重要だと思うので、まずはいいシーズンのスタートが切れたんじゃないかなと思います」

2023全日本ロード第1戦もてぎ JSB1000 レース2 表彰式

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