【横浜FC】文武両道ルーキー発進 DF林幸多郎、レギュラー取りと現役中の司法試験合格目指す

今春明大を卒業した横浜FCの林。定位置獲得と司法試験合格を掲げる=3月26日、ニッパツ

 門出の春。サッカーJ1横浜FCの文武両道ルーキーが一足早く新たな一歩を踏み出した。今季ここまで公式戦5試合に出場しているDF林幸多郎(22)=明大卒=は、現役中の司法試験合格を目指す異色のトップアスリート。「誰もやったことがないことをやってみたい」。大きな未来を夢想し、最も困難な両立に励んでいる。

 明大の卒業式が行われた3月26日、林の姿はニッパツ三ツ沢球技場にあった。ルヴァン・カップの神戸戦に右サイドバックとして先発出場。元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(38)や元日本代表FW大迫勇也(32)らを向こうに回し、90分間走り抜いた。

 0-1の惜敗に「勝てない状況が続いている中、なんとしても勝ちたかった」と悔しい顔。自身、強みを発揮し切れたとは言いがたい。ただ、今は全てが学びの時期だ。

 佐賀県出身で、J1サガン鳥栖の育成組織から明大法学部に進学。4年時には主将を担う期待の星だったが、才の発露はピッチ上だけではなかった。

 「シンプルに法律が面白い」。在学中の司法試験合格を目指し、寸暇を惜しんで参考書を開いては知識を蓄えた。昨年5月の挑戦は、予備試験の短答式試験で不合格。法科大学院進学を考える中、舞い込んだのが横浜FCのオファーだった。

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