都内で続々と実施される給食費無償化、品川区での取り組みを森澤恭子区長に聞く

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG(モニフラ)」(毎週月~金曜7:00~)。2月10日(金)放送の「モニフラZ議会」では、品川区の森澤恭子区長をゲストに迎えて、Z世代とXY世代の論客とともに“給食費無償化”について議論しました。

◆新品川区長が給食費無償化を実現すべく予算13億円計上

昨年12月の品川区長選挙で当選した森澤区長は重点政策に"子育て政策”を掲げ、給食費無償化を実行すべく新年度予算案で13億円以上を計上しました。

区民からは評価する声がある一方で「そんなにいらない。子どもを育てていくことも重要だが、予算があるなら子どもと年寄り半分半分くらいでお願いしたい」という意見もありました。

なお、森澤区長は区長選挙特設サイトにて7つの重点政策を挙げており、そこには子育て政策の他にも、高齢者や障害者への政策、産業政策やコロナ対応、そして「区長給与・退職金2割カット、区政の見える化やデジタル化をリード」など多岐に渡る政策を掲載しています。

当番組にて給食費無償化を訴え続けてきた、食文化研究家で株式会社食の会 代表取締役の長内あや愛さんは、品川区の取り組みを喜びつつ「給食費無償化で最も必要なのは財源の確保だと思うが、品川区ではなぜ今回予算案に組み込むことができたのかをお聞きしたい」と質問。

2児の母でもある森澤区長は「子どもにとって給食は成長していくなかでとても大事なもの。食で支えていく、さらには子育て家庭の負担を軽減していく、そうした部分で意義のあるものだということをみなさんに理解していただけるようしっかりと説明していきたい」と述べます。

◆給食費の無償化、最終的には国が行うべき!?

2017年の文科省の調査では、給食費無償化を行なっている小中学校は4.4%(76/1760自治体)。そんななか、都内23区では葛飾区・足立区・荒川区・北区・中央区・品川区・世田谷区で今年4月から無償化するとしています。そのうち世田谷区では1年間臨時的に実施するとし、世田谷区長は「今後、自治体の格差が問題になってくるので、国が責任を持つ形を求めたい」と話しています。

株式会社ABABA代表の久保駿貴さんは、財源が一番の課題であることは理解しつつ「財源以外に、難しくてなかなか(給食無償化が)実施できないという問題点はあるんでしょうか?」と森澤区長に尋ねると「給食費の場合は、やはり財源が大きい」との返答が。

さらに、自治体格差をなくすためにも「国が責任を持つべき」という世田谷区長の声について、森澤区長も「自治体で差が出てしまうこともあるので、やはり最終的には国が実行してくれるのが一番」と同意。

長内さんから「どうやって国に訴えていくべきか」との質問に、森澤区長は「やはり、市民、区民、都民とみなさんから声を上げていくことが必要なんじゃないかと思う」と答えます。

ライターのヨッピーさんは「(給食費無償化によって)自治体間の競争が生まれていると思う」との指摘とともに、「そうなることで頑張る自治体が生まるなど、僕はいいことだと思うが、やはり国が面倒を見るべきなのか?」と問うと、森澤区長は「給食費はやはり国全体でやっていくべき」と述べます。

ただし、「自治体間で工夫をし、特色を出していくのは重要」と言い、「そのためには選挙でどんな価値観・ビジョンを持った首長を選ぶのかが大事だということを理解していただき、選挙に行ってほしい」と切望します。

また、視聴者からは「先の選挙は投票率が30%台だったが、それは品川区に不満がない、余裕があるということ?」といった意見がありましたが、これに対し森澤区長は「そういった側面もあるとは思う」と頷きつつ、「一方で自分たちの生活をより良くしていく、地域社会をより良くしていくために選挙がひとつの手段であることをもっともっと認識していただけるように、私たちは頑張らなければいけない」と気を引き締めていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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