ヘビーメタルバンド「ジェノサイド ニッポン」結成40年で初の海外ライブへ ボーカルは福井県の62歳、ハイトーンボイス健在

竹内稔浩さん(右から2人目)と天谷一夫さん(右)が中心となって結成した「GENOCIDE nippon」

 福井県越前市の竹内稔浩さん(62)と同市出身の天谷一夫さん(61)が中心となって活動するヘビーメタルバンド「GENOCIDE nippon(ジェノサイド ニッポン)」が4月21日、ドイツ有数のヘビーメタルフェス「KEEP IT TRUE」に出演する。結成約40年で初の海外ライブ。竹内さんは「海外でのライブはバンド結成からの目標だった。ここからが勝負。観衆にインパクトを残して、次の海外活動につなげたい」と気合十分だ。

 メンバーはボーカルの竹内さん、ギターの天谷さんにベースとドラムの4人。竹内さん以外は東京在住のため、活動は竹内さんが上京し、都内のライブハウスなどで演奏している。

 竹内さんは中学時代に聴いた「ブラック・サバス」「ディープ・パープル」「ジューダス・プリースト」などのバンドに衝撃を受け、洋楽にはまった。1979年に越前市のレコード店のヘビーメタルコーナーで天谷さんと知り合い、「お互いにこんな音楽(ヘビーメタル)を聴いているのは武生で自分だけだと思っていた」(竹内さん)と驚きとうれしさで意気投合。その後2人は先輩のバンドに加入して修業し、「ジェノサイド ニッポン」を結成した。

 福井でライブ活動を続けていた竹内さんたちに転機が訪れたのは86年ごろ。観客らに配るために作ったデモテープが「どういう経緯か分からないが」(竹内さん)海外に渡り、欧米の複数のレコード会社の目に留まった。米国の会社と契約し88年にアルバム「Black Sanctuary(ブラックサンクチュアリ)」で海外デビューを果たした。米国ツアーの話もあったが、メンバーの脱退もあり実現しなかった。

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 ヘビーメタルフェス「KEEP IT TRUE」は20~22日に開かれ、欧米のバンド約30組が出演。主催者が出演アーティストのリクエストをインターネットで募ったところ、「ジェノサイド ニッポン」の名前が挙がり、今回の出演になったという。

 「こんな大きなフェスから声がかかるなんて思ってもみなかった。『これは行くしかない』と自分の中では即答だった」と竹内さん。「35年前のアルバムを聴いて期待してくれている観客もいるはず。生で聴けて良かったと思わせたい」と気を引き締めている。

 力強いハイトーンボイスが自慢の竹内さんは「高域の声もあと何年出るか分からない。ドイツのフェスで納得できるパフォーマンスをしたい」と話している。

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