大分県知事選挙に立候補 安達澄(あだち・きよし)氏の経歴・政策まとめ

任期満了に伴う大分県知事選挙が3月23日告示、4月9日投開票の日程で実施されています。今回の大分県知事選挙には届け出順に安達澄氏(53)、自民党と公明党県本部が推薦する佐藤樹一郎氏(65)の無所属新人2名が立候補しました。本記事では無所属新人の安達澄氏についてご紹介します。

大分県知事選挙に立候補 佐藤樹一郎氏の経歴・政策まとめ

大分県出身、上智大学卒業。新日鉄(現 日本製鉄)、朝日新聞社、旅行会社創業を経て、参議院議員を務める

安達氏は1969年大分県出身、上智大学法学部国際関係法学科卒業。新日鉄(現 日本製鉄)、朝日新聞社を経て2015年の別府市長選に立候補するも落選、同年に別府市内で旅行会社を創業しました。2019年参議院選挙で当選し、経済産業委員会、財政金融委員会に所属。今回の大分県知事選出馬のため参議院議員を辞職しました。

安達氏が掲げる政策とは

安達氏は自らのホームページにおいて以下の政策を公表しています。

大きな方向性
○日本一の「ひとづくり」県を目指します
「ひとづくり」を県政の大黒柱として捉え、予算、労力そして時間をかけて、じっくりと人を育てます。
○世界、特にアジアに打って出ます
地の利を生かし、私が先頭に立ち、トップセールスで売り込みます。

7つの基本政策
○「現場主義」に徹した組織・風土づくり
・私はもちろん、「職員が向く方向は常に県民」を徹底します。
・「前例がないので、できない」は禁句にします。
・組織にありがちな「モノが言えない空気」はダメ!県民と最前線で向き合う現場の職員が、忖度なしの生の情報やアイデアを上司に発信できる風土をつくります。
・失敗したら、その原因説明とともに県民に謝り、言い訳をしない県庁にします。そして、その失敗を生かします。最後の責任は、リーダーの私が取ります。
・「何をやるか」とともに、「何をやらないか」の判断も大事にします。
・計画(予算)よりも実行(決算)にこだわり、検証をしっかりおこないます。

○子どもの方を向いた教育・養育の環境づくり
・家庭の経済格差が子どもの教育格差にならないよう、公教育を充実させ、どの子も自分の可能性にチャレンジできる環境をつくります。
・先生の大事な仕事は、授業とその準備。県独自の制度や学校現場の業務を見直し、先生が子どもの方を向いて授業に集中できる学校現場をつくります。
・教育委員会との日常的な意見交換、総合教育会議の充実、現場との直接的な意見交換の場を設けます。
・虐待、いじめ、ヤングケアラー、ひきこもり、貧困対策など子どもを取り巻く課題の解決に向け、学校、行政、地域社会、民間との連携を深め、お互いの強みを生かし、子どもの養育を社会全体で支えます。
・未来の大分、日本、世界を担う子どもたちのための基礎的支援を強化します。体験型子ども科学館O-Laboなど科学技術振興や、本や活字に触れる子を育てるための施策を助成します。

○農林水産業の基盤強化
・生産者、農協、行政のコミュニケーションを密にし、市場のニーズに対応した生産・加工・販売体制を整備し、利益をしっかり生む農林水産業を目指します。
・県が積極的に旗を振って、国内外の人脈づくりや販路拡大に努め、生産者の活力を引き出す土壌をつくります。
・農(水)福連携、AIなど先端技術を活用したスマート農林水産業、就農学校・ファーマーズスクールをより充実させ、人手不足の解消ならびに新規就業者を確保・育成します。
カーボンニュートラル(気候変動対策)への対応、災害対策の観点から、山を守り、森林資源を循環させ、林業を発展させます。
・令和版「一村一品」プラス一文化を提唱し、地域の特性を生かした「もの・こと・ひと」づくりに励む地域・生産者や、農漁村民泊・体験などグリーン(農村)・ブルー(漁村)ツーリズムを支援し、多極分散社会を良しとして守ります。

○産業の育成、経済の発展
・デジタル、カーボンニュートラル、総合安全保障など未曾有の課題の解決に世界や日本が挑む中、県内のがんばる中小企業や小規模事業者への伴走型支援の強化、円滑な事業承継の推進、ものづくり、宇宙、サイバーなどジャンルを問わない産官学共同の研究開発ネットワークの構築に取り組みます。
・気候変動対策として、自然エネルギーや水素などを活用したエネルギーの地産地消を進めます。
・アジアが近い、留学生・卒業生が多いという地の利を生かし、世界、アジアに挑戦する企業や事業者を積極的に支援します。行政自ら地域対地域の国際交流を進め、東京など大都市経由ではなく、世界の地域と県内市町村を直接つなぐパイプを多く・太く・長くします。
・コロナ禍を機とする働き方や価値観の変化をチャンスと捉え、ハコモノ誘致の発想ではなく、リモート(遠隔)で仕事ができる人の「転職なき移住」の需要を取り込みます(人の呼び込み)。
・首都圏などの企業からリモートでできる仕事を民間と連携して呼び込み、若者が県内定住でも仕事ができる環境整備や教育を進めます(仕事の呼び込み)。
リモートワークに必須であるインターネット環境を県内全域で整備し、5Gや6Gをどこにいても利用できる県を目指します。
・裾野が広く、経済や雇用への影響が大きい観光産業を発展させます。そのために、大分の食を生かすこと、別府・湯布院から他の市町村にも観光客が足を運んで消費する広域観光を目指すこと、マイクロツーリズム(小旅行)やデジタルノマド(旅をしながらリモートで仕事)などの新たな観光需要を掘り起こすことに、県を挙げて取り組みます。

○防災・減災、県土強靭化、危機管理への対応
・衛星データ、ドローンなど先端技術を活用し、事前予測や市町村間のリアルタイムでの情報共有など防災行政の高度化、見える化を推進します。同時に、県民の災害時の行動教育や意識づけを強化します。
・災害対策の観点からも、中津日田道路、東九州自動車道、中九州横断道路など高規格道路の整備を推進し、県土を強靭化するとともに、広域ネットワークを推進します。
・危機管理の基本として、平時からの自治体間、住民間、関係者間の密なコミュニケーション、人間関係づくりを推進します。

○文化・芸術、スポーツの振興
・文化・芸術を、県民が「心を潤す」ための大事な行政サービスの一つと位置づけ、文化・芸術の振興、継承や担い手育成を支援します。
・子どもたちをはじめ県民が日常生活や地域社会の中で国内外の多様な文化・芸術に触れる機会を増やし、大分県を世界に誇る多文化共生社会かつ平和を希求する県にします。
・スポーツを生涯にわたって楽しむ雰囲気や環境をつくり、また、スポーツ観光・交流を推進します。

○福祉の充実、共生社会・男女共同参画社会の実現
・高齢者の生きがいづくりを応援し、男女とも「健康寿命日本一」を目指します。
・一人暮らしの高齢者などの社会的孤立を防ぐため、地域社会で見守る態勢を強化します。
・農漁山村部などで買い物や病院に行けない交通弱者を生まないよう、運行事業者や市町村、NPOなどと連携して、地域公共交通を守ります。
・「保護より機会を(太陽の家)」の理念や実践を参考に、障がいがあっても地域社会で仕事や生活ができるよう、企業、学校、福祉施設とも緊密に連携しながら、就労支援、生活支援のための取り組みを強化します。
・女性活躍を推進するとともに、多様な個性や価値観が認められ、自らの意思で生き方を選択できる社会をつくります。

大分県知事選挙 4月9日投票 立候補者一覧はこちら>>

【関連】大分県知事選挙/地方自治闊達な地で繰り広げられる互角の戦い 『Gの系譜(3)~歴史からひもとく注目の知事選~』(歴史家・評論家 八幡和郎)

© 選挙ドットコム株式会社