89年の歴史に幕…バス路線「広浜線」 ラストランに密着! 広島

春は始まるものもあれば終わるものも…広島の交通を長年支えてきたバス路線がまた1つ廃止になりました。3月31日のラストランに密着しました。

広島駅から北広島町大朝までを繋ぐ路線バス、通称「広浜(こうひん)線」。最終便出発前から広島駅には利用客の姿がありました。

利用客「本当にありがとうございましたですね。でもなくなると本当に不自由になるなぁって思いますね」「春休みだしね、最後のあれ(運行)に来ました。思い出に残る2時間がいいですね」

そして最後の運転手となった寺下さんは?

寺下 哲さん「とにかく安全運転で大朝まで行きますので。最後は楽しんできます」

この「広浜線」は1934年6月から可部そして大朝と広島市内を結び、かつて多いときは1日12往復する人気路線でした。

終点の大朝車庫では…「地域の皆さんで本当にありがとうございますという風な気持ちをみんなで伝えたいと思います」

自身も祖父母に会いに来るときに、バスを利用していたという福光さん。感謝の気持ちを伝えたいとして 今回、セレモニーを企画しました。

福光 寛泰さん「バス路線があったことで、この地域が間違いなく発展したっていうことがありますので、(路線が)無くなるという思いは当然さみしいんですが、まずはその前に感謝という風のが本心ですね」

地域住民の“大事なピース”の廃止…福光さんの思いに賛同した人がおよそ130人集まりました。

そしてこの日の主役が終点に到着!ラストランを共にした3人は?

「一部寝ていました。だけど楽しかったですねやっぱり」

大役を終えた、運転手は…

最終便を運転した寺下 哲さん「無事到着して本当にホッとしています。沿道沿いで手を振ってくれた方とか、お土産を頂いたりとか、本当にお客さんに恵まれました。この89年の節目を自分が運転できたということは本当に誇りに思います。本当にありがとうございました」

福光さんは、想像以上の人が集まった!と大喜び!

セレモニーを企画した福光 寛泰さん「たくさんの方がお越しくださったというのはそれだけこのバスに対しての気持ちを皆さんお持ちで、その最後にお見送りをしたいという思いでたくさんの方がこの寒い中来てくださったんだと思います」

89年の歴史に幕を閉じた『広浜線』ですが、今後は他の公共交通機関により形を変え、交通網自体は維持・存続されるということです。

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