ノリス「いい仕事をした人がレースを終えさせられるのは公平とは言えない」2度目の赤旗とリスタートに疑問/F1第3戦

 マクラーレンのランド・ノリスは、F1第3戦オーストラリアGPのレース後半のリスタート手順について疑問を持っており、このプロセスはリスクが高く、ドライバーにとって必ずしもフェアではないと述べた。

 決勝レースは9周目にアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)のクラッシュによって赤旗が出され、リスタートが行われた。レースはこのまま混乱もなく終了するかに見えたが、レースの終盤にあと数周を残すところで2回目の赤旗が出された。ハースのケビン・マグヌッセンがウォールに衝突してデブリが撒き散らされたため、レースは中断。その後はスタンディングスタートで2度目のリスタートが行われ、チェッカーフラッグまで3周の猛ダッシュが行われると誰もが予想していた。

 しかし1コーナーでアルピーヌのピエール・ガスリーがワイドになったことが連鎖反応を起こし、アルピーヌの2台を含む4台がリタイアした。レースはふたたび赤旗中断となったが、審議の結果、セーフティカーの後ろで最終ラップを走行しレースを終了することになった。

 ノリスはオーストラリアGPの大半で中団上位の8番手を走行しており、最終的に6位でフィニッシュした。メルボルンでの混乱から恩恵を受けたとはいえ、ノリスは残り4周でレースを中断してからリスタートすることの有用性に疑問を呈し、このような手順はさらにリスクを増やすだけだと主張した。

「いいレースができる感じだったのに、誰かがちょっとしたヘマをしてターン1でロックアップしたから、レースが終わってしまったようだ」とノリスは語った。

「リスタートは好きじゃない。レースの最初の4分の1だったら理解できるかもしれない。後半と、特にあと4周の時点では、いろいろと台無しになった感じがする」

「いい仕事をしていた多くのドライバーが外されてレースを終わらされるようなことは、公平とは言えないと思う。彼らが何かを変えるとは思えない。最後から2番目の赤旗は必要なかったかもしれないと感じている。全部を見ているわけではないからわからないけれどね」

「マシンのなかから見えた限りでは、必要だと感じなかった。『あと4周だからセーフティカーの後ろでフィニッシュしたくない』という感じだった。そのせいでレースは悪い方へ向かってしまった。単にセーフティカーの後ろでフィニッシュしたら、もっと簡単にいっただろうと思う」

「僕としては少し不満だ。(ピエール・)ガスリーのポジションを取れたのは多少ラッキーだったと思うが、同時にもっと悪くなる可能性もあった」

2023年F1第3戦オーストラリアGP アクシデントが多発した2度目のリスタート

 ノリスは、将来F1は赤旗の手順をより公平に行うようになるだろうと考えている。

「レースの最初の4分の1だったら、まだレースの序盤だから、運を味方につけようとリスクを犯すだろう」

「みんなに簡単に悪影響が出てしまうと思う。56周を完璧に走った後に不運に見舞われることもある。誰かがターン1でヘマをしてロックアップしたら、自分のレースが終わってしまう。なぜなら彼らがショーをさらに盛り上げたいと思っているからだ」

「結局のところ、これがショーだということはわかっている。でも僕たちはただいいショーを見せるためにここにいるわけではない。僕たちは互いにフェアにレースをしたいと思っているんだ。これは全員にとって公平ではないと思う」

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