マグヌッセン車から飛び散った破片で観客が負傷。F1オーストラリアGP主催者は調査を実施へ

 日曜日にアルバートパークで開催されたF1第3戦オーストラリアGPで、あるF1ファンが軽症を負った。ケビン・マグヌッセン(ハース)マシンから飛散したデブリの一片が、観客の腕にあたったのだ。

 グランプリを訪れたウィル・スウィートさんは、ターン2のすぐそばにある満員の丘の上に婚約者と立っていた。レース終盤、マグヌッセンがウォールに衝突すると、マシンの右リヤタイヤが引き裂かれた。その際に飛び散った破片のひとつがスウィートさんの腕にあたり、彼は切り傷を負った。

『Reuters』によると、スウィートさんは「破片が腕に当たり、僕はただ血を流して立っていた」とオーストラリアのラジオ局『3AQ』に語ったという。

「僕は腕で首のあたりを覆っていたが、もしあれが僕の婚約者に飛んできていたら、彼女の頭に当たっていただろう」

「破片がどれだけ大きくて重いのかを実感した。破片の一部は裂かれていて本当に鋭かった。別の角度から僕に当たっていたら、恐ろしいことになっていたかもしれない」

 不運な状況のなかで大事には至らなかったものの、この事故はイベントの安全対策に疑問を投げかけた。特にこのレースでは、終了時にまだマシンがコースを周回している間にファンの一群がコースに侵入する事態も起きたのだ。

 スウィートさんによると、タイヤの破片は「フェンスを超えてまっすぐに飛んで」きて、幼い子どもたちがたくさんいるエリアに落ちたという。彼は、状況を確認したり彼を助けるために現場に来たオフィシャルは誰もいなかったと指摘した。

 レースプロモーターでオーストラリアGPコーポレーション(AGPC)代表のアンドリュー・ウェスタコットは、この事故について「今回だけの不慮の事故」だとしたが、AGPCはこの件について調査すると主張。ウェスタコットは、月曜日にオーストラリアのメディアに対し「デブリフェンスは世界中で同じようになっている。我々はFIAのレギュレーションに準拠している」と語った。

2023年F1第3戦オーストラリアGP グランドスタンドのファン

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