茨城・境町 ドローン配送開始 市街地での運用目指す

橋本正裕町長(左から3人目)らが見守る中、ピザをドローンに載せる配送作業をするパイロット=境町

茨城県境町は5日、ドローンを使った無人地帯へのデリバリーサービス(レベル3)をスタートさせた。将来的に、全国初となる市街地で毎日飛行するドローン配送(レベル4)を目指しており、改善点などのデータを収集しながら〝境町から全国へ〟新スマート物流を広めていく考えだ。

同日、町内で開かれた出発式には、ドローンの配送を担うエアロネクスト(東京都渋谷区)の田路圭輔CEO、宅配注文サイトのアプリを提供する出前館の藤井英雄社長、橋本正裕町長が出席。3人が用意されたスタートボタンを押すと、積み荷のピザ3枚を載せたドローンが、約2キロ離れた金岡地区の配送先に向けて飛び立った。

ドローンの運用は4区分あり、今回は、山や川、農地など人のいる可能性の低い「無人地帯」を目視に頼らず自動飛行する「レベル3」。サービス対象エリアは町内全域で、宅配注文サイト「出前館」または電話で注文する。現在、出前館のアプリに出店しているのは17店舗で約300品目。配送できる荷物の重量は5キロまで。市街地には陸送、無人地帯の住民にはドローンで届ける。ドローンの離陸ポイントは町内1カ所、着陸ポイントは町内5カ所に設けられた。

町は、ドローン専門の研究開発と実験の機能が一体となった全国初となる施設を同町塚崎に建設中だ。田路CEOは「この施設で、レベル4に対応する機器を開発し、人材育成にも力を入れていく」と意欲を見せた。

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