3月下旬に開業したプロ野球日本ハムの新球場を中心とした複合施設「北海道ボールパークFビレッジ」(北海道北広島市)内の農業学習施設に、スマート農業機器開発のfarmo(ファーモ、宇都宮市上欠町、永井洋志(ながいひろし)社長)が参画している。園芸作物用ビニールハウス内の気温などのデータを計測し、見える化したシステムを今後展示する。
農業学習施設の名称は「クボタ アグリ フロント」。日本の食や農業の未来について考えてもらおうと、農機大手クボタ(大阪市)が整備し、同施設自体は3月30日に開業した。最先端の園芸作物栽培技術を紹介する屋内栽培エリア「テックラボ」や、農業経営を学べるスペース、カフェなどを設ける。グランドオープンは6月30日の予定。
クボタが展開するスマート農業事業に、2年前からファーモの技術が採用されていることが縁となり、今回の参画に至った。プロ野球の新球場が隣接することから、子どもから大人までさまざまな来場者に技術などを紹介できる。
ファーモが展示するシステム「ハウスファーモ」は、屋内栽培エリアに導入される。エリア内のアスパラガス農場に機器を設置し、気温や湿度、二酸化炭素量のほか、土壌の温度や水分量など九つのデータを計測し、栽培環境を見える化する。
同システムはスマートフォンやパソコンで常時モニタリングできるのが特徴で、データに基づいた農場管理を可能にする。最初のシステムを17年に発売して以降、イチゴ、トマトなどのハウス農家向けに計約4500台を販売している。
テックラボは同社を含め計4社が参画する。自律走行型ロボットを活用した収穫作業、人工知能(AI)による適正な水やりや施肥など、最先端のスマート農業技術を体感できる。
永井社長は「農業は便利になった、自分でもできそうだと思ってもらえたら。先進的で今後さらに面白くなる産業として盛り上げていきたい」と強調した。