主体性を大事に活動する大分西高校演劇部 【大分県】

通称「西舞」と呼ばれている大分西高校演劇部。県内の演劇大会に出場するだけでなく、校内イベントの照明を担当するなど年間を通じ意欲的に活動している。昨年は年間で最も力の入る「第75回大分県高文連中央演劇祭(中央祭)」で演目「アオハル☆デモクラシー」を演じた。自由を制限された高校生が青春を取り戻すために奮闘する様を表現し、優良賞と審査員特別賞を受賞した。

4月の新人生歓迎公演に始まり、大分県内の高校演劇部が集まるサマーフェス、文化祭や冬季演劇会など、年間を通じて多くの大会やイベントがある。大会前には校内公演を行い、一般の生徒たちにアンケートを取って修正する。部長の樋口果恋(2年)は、「自分たちで台本を作成し構成も考えるので、周りの意見は大切。OBの方々とのつながりも深いので、定期的にチェックしてもらっている」と話す。副部長を務める竹下未來(2年)も「卒業した先輩たちには、演技やセリフの抑揚、表現力などを学ばせてもらった」と言うように、先代の経験を受け継ぎながら実力を付けている。

中央祭で優良賞、審査員特別賞を受賞

多くの人の心を打ってきた演劇部への入部を希望して、入学する生徒も多いという。田上侑愛(2年)もその一人。「中学生の頃、中央祭で西舞の劇をみて涙が出るほど感動した。この部に入りたいと思った」。顧問を務める阿部斉教諭は、「部員たちは主体的に活動していることに誇りを持っている。今年も、高校生ならではの創造性を大事にしながら演じることを目標に、頑張っていきたい」と語った。

部のモットーは「真剣に楽しく。楽しく真剣に」。今年は3年生部員不在で2年生が主体となり部を引っ張るが、受け継いできた伝統と新しい発想を新入部員と共に表現していく。目指すは九州大会出場、そして全国の舞台だ。

卒業生を送り出し2年生が主体となる

(塩月なつみ)

© オー!エス! OITA SPORTS