DXけん引役900人育成 県、5年間計画 技術習得の機会提供

栃木県庁

 栃木県は6日までに、職員のデジタル技術向上に向けた「県庁デジタル人材育成方針」を策定した。自治体業務とデジタルの知見を兼ね備えた人材を5年間で900人育成する目標を掲げ、希望者を対象に技術習得の機会を提供する。全職員の知識の底上げも図り、県民サービスの向上につなげる方針。

 人口減少に伴い、限られた人員で行政課題に対応しなければならない中、県はデジタル技術で業務を効率化するデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進。一方、昨年7月に実施したアンケートで中堅職員の54%が「DX推進に課題や不安がある」と答えていた。

 人材育成方針では、デジタル技術を効果的に活用し、DXをけん引する職員の育成を柱の一つとした。デジタル化をけん引できる人材を、小型船の船長を意味する「スキッパー」にちなんで「デジタルスキップ」と命名し、教員らを除く職員の20%に当たる900人を確保する。

 対象者は希望制で募り、民間業者のオンライン講座や体験型研修を受講してもらう。比較的簡単な情報通信技術(ICT)の操作方法などを身に付け、所属部署で助言や業務見直しができる人材にする。初年度となる2023年度は100人、その後は年に200人ずつ増やす方針。

 デジタルスキップには最低限の知識として、情報処理に関する国家試験「ITパスポート試験」の合格を求める。そのほか12種類の試験について、合格した場合の受験料を補助する制度も設ける予定。

 県行政改革ICT推進課は「人材育成によってデジタル技術の活用を進め、より便利で質の高い県民サービスの提供を目指したい」としている。

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