“ル・マンへの重要なステップ”第2戦ポルティマオに臨むトヨタ「ゼロからのスタートというわけではない」

 3月にアメリカのセブリングで開幕した2023年のWEC世界耐久選手権は、4月14〜16日、ポルトガル南部のポルティマオで第2戦を迎える。第1戦でワン・ツー・フィニッシュという好スタートを切ったTOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、その勢いに乗って、欧州における今季初戦に臨む。

 シーズンの初戦となったセブリング1000マイルレースでは、GR010ハイブリッド7号車を駆るマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス組が勝利を挙げ、連覇を目指す8号車のセバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組は7号車に続く2位でフィニッシュした。

 欧州ラウンド初戦となるポルティマオ6時間レースは、2週間後に続く第3戦スパ・フランコルシャン6時間とともに、ル・マン24時間レースへ向けた準備の場ともなる。

 TGRは前回ポルティマオでWECが行われた2021年の第2戦においてワン・ツー・フィニッシュを果たしており、この時はブエミとハートレーが中嶋一貴TGR-E副会長とともに勝利している。

 アルガルベ国際サーキットでの走行は4月14日金曜日に開始され、15日に予選、16日には現地時間正午(日本時間20時)から、6時間で争われる決勝レースが行われる。

 TGRからWEC第2戦へと参戦する6名のドライバーのコメントは、以下のとおりだ。

■小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)

「日本の仲間やパートナーの皆様の強力なサポートとチームの素晴らしい努力のおかげで、セブリングでは完璧なシーズンスタートを切ることができました。ワン・ツー・フィニッシュという最高の結果は我々の努力に報いるものでした」

「とは言え、次戦ポルティマオはまた異なるレースであり、可能な限り競争力の高いクルマを準備するためにも、更なるチームの頑張りが必要です。ポルティマオはセブリングとはまったく違うコースであり、ハイパーカーによる争いはさらに僅差となることが予想されます」

「ライバルの多くが近年ポルティマオでのテストを経験していますが、我々にとっては昨年4月以来の走行となります。そのため、我々は練習走行セッションから正しいセットアップやタイヤ戦略を見出すためにハードワークをこなす必要があるでしょう」

「ここからはすべてのレースがル・マン24時間を見据えた準備の一部でもあり、それだけに、来週のレースはさらに重要なステップとなります。ハイパーカーのライバル達との戦いを楽しみにしていますし、ファンの皆様にも、またエキサイティングな戦いが見せられると確信しています」

■マイク・コンウェイ(7号車)

「セブリングでは本当に力強いチームのパフォーマンスによって勝利を挙げ、素晴らしいシーズンスタートを切ることができたので、この勢いをポルティマオでも維持したいと思っている」

「ポルティマオは、ここ数年何度もテストを行ってきたコースでよく知っているし、2021年にはGR010ハイブリッドで実際にレースを戦ってもいる。しかし、今年はクルマもタイヤも異なる。これまでの経験には価値があり、ゼロからのスタートというわけではないが、自分たちのアップデートも含め、すべての準備を適切に調整するためにも、金曜日は忙しい一日になるだろう」

■ホセ・マリア・ロペス(7号車)

「ポルティマオで再び戦えるのは嬉しい。ドライブするのが楽しく、とてもチャレンジングな良いサーキットだ。このポルティマオと、わずか2週間後に待ち構えているスパでル・マンへ向けた準備もしなくてはならないので、誰にとっても忙しくタフな季節が始まる」

「我々は勢いに乗っていると思う。チームはセブリングで素晴らしい仕事をし、マニュファクチャラーとドライバーの両タイトル争いを、首位というポジションで今レースに臨むことになるので、それを守るべく戦う。我々の目標は再び表彰台の中央に登ることだ」

2023年WEC第1戦セブリングでワン・ツー・フィニッシュを飾ったトヨタGAZOO Racing

■セバスチャン・ブエミ(8号車)

「ポルティマオでは2年前に優勝という良い思い出があるので、戻れて嬉しい」

「今レースもハイパーカークラスのライバル達から激しい挑戦を受けることは間違いない。セブリングは特殊なコースなので、まだ誰も確実なパフォーマンスの位置を明らかにすることはできていないが、ポルティマオではそれがもっと明確になるだろう」

「我々のGR010ハイブリッドの速さは分かったし、セブリングでは我々のチームがトップ争いをしたので、自信はある。簡単ではないだろうが、上位争いに留まるべく頑張りたいと思う」

■ブレンドン・ハートレー(8号車)

「セブリングは新たなハイパーカー同士のバトルを初めて味わうことができたレースで、誰にとってもエキサイティングなものだったと思う。新たに現れた強力なライバルと戦い抜くためにも、さらに自分を高めていく必要がある」

「シーズン前から開幕戦セブリングにかけて素晴らしい仕事をしてくれたチームと共にポルティマオに向かうが、バトルがさらに激しいものになるのは間違いない」

「それはシリーズとファンの皆様にとって素晴らしいことであり、チームとしてもチャレンジのしがいがあることなので、我々自身も全員がこのレースを楽しみにしている」

■平川亮(8号車)

「ポルティマオでまたドライブできるのが楽しみです」

「私がGR010ハイブリッドを初めてドライブしたのは、2021年6月のポルティマオだったのですが、あれ以来本当にいろいろなことが起きたので、随分前のことのように感じます」

「当時はすべてが私にとって初めてで、学ぶことが沢山ありましたが、今はクルマにもチームにもだいぶ慣れてきました」

「我々はセブリングで力強いシーズンスタートを切ることができたので、ポルティマオでもその高いレベルを維持するべくハードにプッシュしていきます」

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