LIV移籍で“メジャーハンター”復活へ ケプカ「勝てばいい」

ほかのLIVメンバーのようにチームロゴがないウェアを着るのは「ナイキがスポンサーだから」(提供:Masters Images)

◇メジャー第1戦◇マスターズ 初日(6日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7545yd(パー72)

ブルックス・ケプカはメジャーの大会週に入ったとたん、一気に無口になるのだという。それが2017年からの3年間でメジャー4勝を積み上げた男なりの大一番に向けた集中力の高め方。もちろんオーガスタに入ってからも同様で、「日々のワークアウト(ジムトレーニング)とゴルフ以外はどうでもいい。グリーンジャケットを着て、ここから出ていくことに全力を注いでいるんだ」と言い切る。

昨年「LIVゴルフ」に移籍する前から故障に苦しんでいた。21年3月に右ひざを手術。NFLで史上最高のQB(クォーターバック)と称されるトム・ブレイディらの大けがの手術を担当してきたニール・エルアトラッシュ氏が手術を行い、回復を実感できるようになったのは昨年12月ごろと時間を要した。

「手術が終わったときに1年半はかかると言われた。身動きがとれない感じは、右足を大けがしたタイガー(ウッズ)に一番近いかもしれない。(LIVの)限定的なスケジュールは間違いなく(回復の)助けになったと思う。ひざを完全に曲げることができるようになり、(けがをする)以前とかなり近い状態だよ」とうなずく。

メジャー5勝目、初のマスターズ優勝へ首位発進(提供:Masters Images)

8バーディ、1ボギーの「65」で7アンダー首位タイと最高のスタートを切っても、「短いパットをかなり外した」と振り返る。唯一のボギーがパー5の13番だったことを考えても余力は十分だ。

LIVのトーナメントに世界ランキングポイントが付与されない状況が続き、かつてのナンバーワンも直近では118位まで順位を下げている。2019年のメジャー優勝者としてマスターズに出られるのは来年まで。「特に考えてないよ。でも、そうだね、勝てばいいんだ」。単純明快な結果で不透明な未来を切り開く。(ジョージア州オーガスタ/亀山泰宏)

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