奇祭4年ぶりに開催決定 巨大な蛇体練り歩く「間々田のじゃがまいた」 小山

池の中で水しぶきを上げる蛇(2019年5月)

 国重要無形民俗文化財(重文)に指定された翌年から新型コロナウイルスの影響で中止を余儀なくされていた小山市の奇祭「間々田のじゃがまいた」について、主催者は6日、今年4年ぶりに開催することを決めた。開催日は5月5日。竹やわら、シダでできた全長15メートルの巨大な蛇体が町じゅうを練り歩く。「ジャーガマイタ、ジャガマイタ」の掛け声が、再び間々田に響き渡る。

 主催する間々田のじゃがまいた保存会と大字間々田自治協議会が6日夜、市内で開催委員会を開いて協議した。コロナ感染者数の減少や、コロナ対策でのマスク着用が個人判断となるなど、社会環境の変化が再開の決め手となった。

 感染症対策として会場周辺をなるべく密にしないことや、参加者は1週間前から健康観察カードに体温や体調の変化を記入することなどを確認した。蛇体の担ぎ手や、声出し役はマスクを着用する。

 じゃがまいたは五穀豊穣(ほうじょう)や厄よけを祈願する祭りとして、江戸時代から約400年続く伝統行事。2019年、重文に指定された。

 毎年5月、間々田の七つの自治会が、子どもからお年寄りまで総動員でそれぞれの蛇体を作り上げ、掛け声とともに町内を練り歩く。間々田八幡宮(はちまんぐう)の池で蛇が身を清める「水飲みの儀」には、県内外から多くの見学者が訪れる。

 コロナ感染拡大前までは、戦時中も含め途絶えたことがなかったという。同保存会の五十畑正一(いそはたまさいち)会長(86)は「この3年間は断腸の思いでの中止決断だった。再開できるということで、伝統文化の継承や地域活性化の点からも大いに喜んでいます」と話した。

 

© 株式会社下野新聞社