林業活性化へ「貯木場」完成 年間取扱高2万㎥目指す 「山林と生業次世代へ」/岡山・鏡野町

岡山県鏡野町が林業活性化に向けて整備を進めていた「貯木場」が同町河内地内に完成し3日、開場記念式典が開かれた。町内産のヒノキ、杉を専門に扱う県森林組合連合会のサテライト共販所として11日から材木を受け入れ、「作州かがみの森林組合」(同町井坂)による委託販売を進める。

伐採適期を迎えた地場産材の活用促進、出荷者の負担軽減を狙いに、町内に点在していた貯木用の土場を集約。苫田ダム東側の谷間に位置する町有地(約1㌶)を一昨年夏から造成、アスファルト舗装し、木造平屋建ての管理棟(30平方㍍)と重機を格納する車庫(20平方㍍)を建設した。総事業費は約2億500万円で、財源は森林環境譲与税と過疎債を活用した。

山林所有者は、貯木場を通して町外市場へ販売すれば必要経費のうち、選木や整木、数量検知などのはい績料(1立方㍍当たり850円)を町が負担し、運搬コストを削減できる。県森連のサテライト共販所としての販売、合板製造企業などへの直接販売を併用し、材質に合わせた有利販売と安定供給により年間取扱高2万立方㍍を目指す。

式典には関係者約50人が出席し、山崎親男町長が「森づくり条例に基づき整備し、町の9割を占める山林とその生業を次世代に引き継いでいくために活用していく」とあいさつ。続いて看板を除幕し、木材搬入のデモンストレーションで開場を祝った。

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