【連載コラム】MLB全30球場を制覇 第14話 ビールの街の素敵な野球場

澄み渡る青空。美しい芝。白球が奏でる音に、歓声が重なり合う。最高峰のプレーに心躍り、熱く盛り上がる場所。メジャーリーグ武者修行の旅でアメリカ中を飛び回り、全30球場を制覇したスポーツアナウンサー福田太郎が、あなたを「夢のボールパーク」にお連れします。MLBスタジアムの世界へ、ようこそ。

ビールの街のブリュワーズ

ドイツ・ミュンヘン、北海道・札幌と並んで「世界三大ビール名産地」と言われるミルウォーキー。小麦の生産が盛んなこと、ビールを愛するドイツ系移民の方が多いことも相まって、ビールの街として知られています。2020年までは、ミルウォーキーで創業されたミラー社がネーミングライツを持っていたので「ミラー・パーク」の名で親しまれていました。ブリュワーズの名は、文字通り「ブリュワー=醸造者」から来ています。選手たちのナイスプレーに、乾杯しましょう。

[ビール各種勢揃い](

アメリカンファミリー・フィールドへ

アメリカ中部の大都市シカゴのお隣ウィスコンシン州ミルウォーキー。オヘア国際空港から北に、車で1時間ほどです。ただ、そこには素晴らしいビールが待っているので、交通機関を利用するのも手です。2時間ほどかかりますが、それも良いでしょう。

フリーウェイ沿いにあるので、少しずつ球場が近くなるにつれて、ワクワクが高まります。下はレンガ、上は近代的な造りのスタジアムが見えてきたら… American Family Field! Nice to meet you!

Ballparkの楽しみ方

ビールを飲む人にとっては、素晴らしい環境が整っています。地元「ミラー社」の「Liteビール」はもちろん、各銘柄がオンタップで楽しめます。さらに、おつまみも豊富です。ホットドッグよりも売れるという「ソーセージ」や、その場で煎ってくれる数種類のナッツ、大きなプレッツェルなど、充実のラインナップです。

球場内には「ビアガーデン」もあり、天気の良い日には青空の元、外でビールを楽しめます。

チームストアには、MLB最多であろう、あらゆる種類、数の缶クーラーが売られています。これでビールを冷えたままの状態で味わえます。ちなみに私は、一人で車でお伺いしたので、なすすべなしでした…。

雨のち晴れ

この日はデーゲーム。ミルウォーキーは朝から雨で、試合開始の時は、屋根が閉まった状態でした。ところが試合中、突然光が差し込んできました。屋根が開き始めたのです。スタジアムの中心から、ゆっくりと両方向に。わずか10分ほどで開き切ると、そこには綺麗な青空が広がっていました。屋根の開閉で、異なる表情を見せてくれます!

[野球場には、青空がよく似合います!](

愉快なキャラクターたち

チームのマスコット「バーニー・ブリュワー」は、立派なヒゲを蓄えた、陽気なおじさん。レフトにあるお家には滑り台がついていて、ブリュワーズの選手がホームランを放つと、突然駆け出して、下まで一気に滑り降ります。

また試合の後半には、ビールとの相性抜群のソーセージたちがグラウンドを駆け回る「ソーセージ・レース」が開かれます。お客さんたちが順位を予想して一喜一憂する、人気のイベントです。

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福田太郎(ふくだ・たろう)/ 1991年生まれ。HTB北海道テレビ放送アナウンサー。プロ野球の実況中継や、朝の情報番組MCを担当した後、2022年2月から11月まで休職。MLB全30球団・ボールパークを訪ね、世界最高峰のスポーツエンターテイメントを学び、12月に復職。写真:福田太郎

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