若手奏者4人が演奏会 タンゴの調べ、ファン魅了 茨城・笠間 ピアニスト小林さん企画

タンゴコンサートに出演した西原なつきさん、小林萌里さん、廣津留すみれさん、小野としたかさん(左から)=笠間市友部駅前の地域交流センターともべ(小林さん提供)

国内外で活躍する若手バイオリニストの廣津留すみれさんをはじめ、ピアノ、バンドネオン、コントラバスの同世代の奏者4人によるタンゴコンサートが3月31日、茨城県笠間市友部駅前の地域交流センターともべで開かれた。ステージ上では、タンゴ独特の美しい歌い回しや泣けるようなメロディー、疾走感あふれるサウンドが次々と繰り広げられ、来館したファン約160人を魅了した。

コンサートは、県内外で幅広く演奏活動を行うピアニストの小林萌里さん=笠間市在住=が、タンゴの魅力を広く伝えようと、友人の廣津留さんに協力を呼びかけ企画された。同市内では2回目。今回は、ブエノスアイレスで長くバンドネオンの研さんを積む西原なつきさん、福岡を拠点にクラシックやジャズの演奏を通じて活躍するコントラバス奏者の小野としたかさんの2人が加わった。

演目は「エル・チョクロ」「黄昏(たそがれ)のオルガニート」など、現代作品を中心に16曲が組まれた。

廣津留さんのバイオリンは、太くて柔らかい音色で朗々とメロディーを歌い、時にロックのような激しい演奏も披露。西原さんは、蛇腹楽器ならではの独特のリズムを曲に刻んだ。小野さんは、さまざまなバリエーションのピチカートや弓弾きで曲ごとの性格を表現。小林さんのピアノは、重低音やキラッと光る高音でそれぞれの作品に美しいアクセントを添えた。

4人の個性はステージ上で見事に融合し、詰めかけたファンを魅惑的なタンゴの世界にいざなった。

コンサート終了後、廣津留さんは「同世代のタンゴメンバーが集まった最高のライブとなった。2月に訪れたブエノスアイレスで受けた刺激をそのまま皆さまにお裾分けできた」と振り返り、小林さんは「コロナ禍の制限がなくなってきたタイミングで、コンサートを楽しんでいただくことができ、うれしい限り」と話した。

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