「タイヤをベストの状態に持っていくことだけを考えた」野尻。決めごとを「気にしなきゃよかった」と宮田【SF第2戦予選後会見】

 2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦富士の公式予選が終了し、ポールポジションを獲得した野尻智紀(TEAM MUGEN)、2番グリッドを獲得した宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)、そして3番グリッドを獲得した大湯都史樹(TGM Grand Prix)が会見に出席し、予選を振り返った。

■野尻智紀(TEAM MUGEN)

予選ポールポジション
Time:1分21秒196

「昨日に引き続き、昨年から4回連続のポールかな。毎回違ったプレッシャーや緊張感があり、昨日はリアム(・ローソン/TEAM MUGEN)選手が勝ったというところで『ここで速さを見せつけないと』と思いながら臨んだ予選で、自分に対して勝手にプレッシャーがかかっていたなという感じはあります。でも思ったとおりに走れたと思いますし、自分のラップに関しては非常に満足しています。今日に向けてチームも非常に良いクルマを用意してくれたので、昨日よりもすごく楽しい戦いができるのじゃないかと期待しています」

「(Q2の位置取りの狙いと意図を問われ)僕は順番的に先頭で出ていける立場だったので、特に気にはしてなかったのですけど。ただ、狙っていたのはQ1よりもウォームアップを1周増やしてアタックしようという点でした。ただ、それをやると僕でさえ(Q2の残り時間が)結構ギリギリというところだったのですけど、でも『あんまり関係ないな』と」

「ものすごく意地悪をすれば(背後を走る)リアム選手でさえも、アタックをできなくさせることはできたのですけど、『さすがにそれはない』と思い、それなりのペースを刻んでアタックに入っていきました。僕が考えたのはそのあたりで、あとはベストのタイヤの状態に持っていくことだけを考えて走っていました」

2023スーパーフォーミュラ第2戦富士 野尻智紀(TEAM MUGEN)

■宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)

予選2番手
Time:1分21秒570

「野尻選手と同じことを言うとすれば……昨シーズンから続いて4戦連続の1列目なのですけど(苦笑)。Q2は台数がQ1より少し多く、たぶんみんな計測4周目あたりを狙ってアタックに行っているのだと思うのですけど、時間の関係で結構厳しい(予定していたアタックタイミングに間に合わなかった)チームもいたと思います」

「ウォームアップの際、僕は前から3番目くらいにいたのですけど、後ろからすごい勢いで来たクルマがいたり、それもあって目の前にいたリアム選手とレースのように近い距離のままアタックに入ることになっちゃって。その状況下での2番手は自分のなかで予想外すぎる結果で、不幸中の幸いな部分もあります。でもしっかり予選ポイントも取れたので、このまま決勝も頑張っていきたいと思います」

「(Q2の位置取りの狙いと意図を問われ)計測4周目にアタックをする前提でウォームアップに入りました。ただ去年の流れで、アタックする前のウォームアップ中に、たとえばセクター3で前のクルマを抜かないとか、お互いに損をしないようにするためにドライバーたちのなかで決めていたこともあったりして、それをちょっと気にしながら守っていたのですけど……。今振り返ると、逆にそれを守らなきゃよかったなと。それを気にしなきゃよかったなという気持ちもあります。そこがアタックへ向けたポジション取りの“攻めぎわ”だったなという感じでしたね」

2023スーパーフォーミュラ第2戦富士 宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)

■大湯都史樹(TGM Grand Prix)

予選3番手
Time:1分21秒590

「Q2のアタックを終えた瞬間は『絶対にポールポジションだ』というくらいの手応えがあったのですけど、やはり野尻選手が速くて、ぜんぜん今のところ足元に及んでいる感じもないですね。個人的にはいいラップを刻めたのはポジティブですし、このチームでまず、記者会見に出させてもらうところまでに来れたのでいい予選になったと思います。ただ昨日も決勝があまり良くなかったので、そこの改善は自分としての課題となっているので決勝で頑張りたいと思います」

「(Q2の位置取りの狙いと意図を問われ)アタックの位置取りとしては、おそらく計測3周目でアタックに行った組のなかでは後ろの方でしたね。時間的には余裕があったので、普通にタイヤを温めることができましたし、いい状態でアタックに臨めていたと思います」

「(Q1でブレーキロックする場面もあったがQ2はまとめ上げた。インターバルの間にセットアップを変えたかと問われ)僕がブレーキロックしたのは……典型的な例というか。おそらく“そこ”を野尻選手とTEAM MUGENは感じとっていたと思うので、だからこそ計測4周目にアタックに行くという判断となったと思うのですけど、僕は僕で違うやり方で。主にフロントのタイヤがストレートで冷えてしまうことが全チーム課題にしていたと思います。そこでタイヤが冷えないように、クルマ側で対策をして臨んでいました。それが何かは言えないです」

2023スーパーフォーミュラ第2戦富士 大湯都史樹(TGM Grand Prix)

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