福井県知事選挙、現職の杉本達治氏が再選 28万票、共産新人の金元幸枝氏に大差 投票率過去2番目の低さ

再選を確実にし万歳する杉本達治氏=4月9日午後8時5分ごろ、福井県福井市中央3丁目の選挙事務所

 第20回統一地方選前半戦の9道府県知事、6政令市長、41道府県議、17政令市議の各選挙は4月9日、投票が行われ即日開票された。福井県知事選は、無所属現職の杉本達治氏(60)=自民、公明、立憲民主党推薦=が28万票余を獲得。共産党新人の金元幸枝氏(65)を大差で破り再選を果たした。投票率は51.08%で前回の58.35%を7.27ポイント下回り、過去2番目の低さとなった。

 9日午後11時50分の最終確定で杉本氏は28万2097票を獲得。有効投票数に対する得票率は89.59%だった。

 当選確実と報じられた後の選挙事務所でのインタビューで杉本氏は、1年後に迫った北陸新幹線県内開業を見据え「100年に一度のチャンスを迎えている。開業効果を全県に広げていく」と決意を語った。敦賀以西延伸については南海トラフ地震に備える観点から「一日も早い認可着工を政府与党に対し強く求めていく」と強調。県民のチャレンジ応援や子育て支援、安全最優先の原子力政策にも取り組む姿勢を示した。

 知事選は3月23日に告示。杉本氏は新型コロナウイルスや豚熱、大雪・大雨災害などに見舞われた1期目の危機管理対応の実績をアピールしながら、女性活躍応援や新幹線県内開業に向けた観光、産業振興に取り組むと訴えた。与野党相乗りの構図の下、千を超える企業・団体から推薦を受け、幅広く支持を集めた。

 知事選3度目の挑戦となった金元氏は原発を積極活用する政府方針への批判を強め、新幹線敦賀以西の計画凍結を政策の軸に掲げた。大型公共事業優先から、暮らし・福祉に手厚い県政への転換を主張し、現職批判票の取り込みを目指したが及ばなかった。

 投票は午前7時から県内384カ所で行われ、一部繰り上げ地域を除き午後8時に締め切られた。投票率51.08%は、知事選過去最低の48.59%(2015年)は上回ったものの、保守分裂で激戦となった前回選から一転、「与野党相乗りの現職対共産」の構図で大幅な投票率アップにはつながらなかった。

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