神奈川県知事選挙 黒岩祐治氏が4選、不倫報道でも大勝

当選確実の報を受け、口元をひきしめてインタビューに応じる黒岩氏=9日午後8時5分ごろ、横浜市中区の事務所

 第20回統一地方選前半戦の知事選は9日投開票され、現職の黒岩祐治氏(68)=自民、公明、国民民主各党の県組織、連合神奈川推薦=が新人3氏を大差で破り、4選を果たした。

 3期12年にわたる黒岩県政の是非を最大の争点に、人口減少局面への突入で深刻化する少子高齢化対策や、新型コロナウイルス禍などで疲弊した社会経済活動の立て直し策などが問われた。

 黒岩氏は過去3回の知事選と同様に与野党相乗りの支援を受け、優位な戦いを展開。選挙戦では県独自の対処策を講じて「国をリードした」と自負する新型コロナ対応や、「当事者目線」をキーワードとする障害福祉施策の推進などを実績として訴えた。

 デジタル技術の活用で少子化や防災など喫緊の課題解決に努め、「県民一人一人に優しい社会を実現する」と強調。4月に施行した「県当事者目線の障害福祉推進条例」の実効性を確保し、共生社会を具現化することも掲げた。政策集にはすでに取り組んでいる施策を含め、約140項目を盛り込んだ。

 選挙戦終盤で過去の不倫が週刊誌に掲載され、事実と認めた上で釈明に追われた。それでも、知名度の高さと実績を武器に、他候補を寄せ付けなかった。

 前回も出馬した新人で市民団体代表の岸牧子氏(66)=共産党推薦=は再生可能エネルギーの活用や、医療・教育分野への予算の重点配分などを訴えたが、広がりを欠いた。

 ともに新人で、政治家女子48党の大津綾香氏(30)と、医師の加藤健一郎氏(73)は選挙戦での活動が乏しく、浸透しなかった。

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