ハーフナー・マイクがぶっちゃける!「今の日本代表は…」 期待する10代の日本人FWとは

今年1月に現役引退を発表したハーフナー・マイクさんは、2011年から2016年まで日本代表のストライカーとして活躍してきた。

そこで、元日本代表FWハーフナーさんにQolyが直撃!

インタビュー最終回では、長年議論されている日本代表長身ストライカー待望論や、ザックジャパンでのエピソード、期待の日本人FWについて聞いた。

(取材日:2023年2月2日)

――ハーフナー選手はストライカーらしく、ボールに対する“当て感”が頭でも足でもすごく上手かったです。ボレーなんかはものすごく得意な印象があります。身長という武器がある中で、足元のプレーをどうやって磨いてきたのでしょうか。

個人的な考えもそうですけど、各ポジション、「能力の五角形」がしっかりしてないといけないという選手がやっぱり増えてくるじゃないですか。

ボランチで言ったらボールを奪うだけではなくて捌けないといけない。現代だったら点も取れるボランチじゃないといけない。FWも前でどっしり構えてやるだけじゃなくて、裏も走れて、下りてゲームも作れてという選手たちが増えてきています。

そういう意味でも自分の中では、背が高いからこそヘディングだけではなく、他もしっかりできるようにしなければというのはずっと考えていました。まあもう少し足元がうまければ良かったなとは思います(笑)。

――ヘディングの当て感などは練習で積み上げていたのでしょうか。

具体的に自分の考えを言っても、他の人に伝わるかは分かりませんけど…。

とりあえずゴールの枠内に入れれば「何かが起きる」という意味で、日頃のシュート練習などから、クロスの練習もそうですけど、抑えて枠に入れることはずっと考えていました。

――ここから日本代表での話をお聞きします。ハーフナーさんは2011年に初招集されてから18試合で4ゴールを決めました。特にアルベルト・ザッケローニ監督の下でプレーされた時期が多かったですけど、当時のザックジャパンでの思い出はいかがですか。

デビュー戦がいまだに自分の中で一番思い出に残っていますね。

追加招集でしたし、試合までの時間もあまりなかったんですけど。合流して2日くらいで試合をやったかな。北朝鮮戦は「さすがに試合に出ないだろう」と思っていましたが、追加招集された2日後の北朝鮮戦、途中から急に呼ばれて。あれは本当にずっと覚えていられるデビュー戦ですかね。

後は色々な試合を経験できたのもザックジャパンの時だったかな。フランスへ行ってフランス代表と対戦したりもしましたし、コンフェデにも行きました。最終的にワールドカップに行けなかったのはやっぱり個人的な努力のなさだったと思います。

もっと自分にベクトルを向けていれば、もっと成長できたな、と。そうしたら2014年のワールドカップにも行けたかなとは思いましたね。

――当時ポジションを争っていた前田遼一さんが日本代表のコーチに就任されました。前田さんの選手時代の印象を教えてください。

静かでしたけど、よく喋ることもよくありました。落ち着いていて周りが見えている選手でしたね。FWにはあまりいないタイプかな。自分みたいにうるさくて、ギラギラしていて、気性が荒い感じのFWのほうがおそらく多いと思います。

でも遼一さんは今もずっと落ち着いていて、周りも生かしながら自分を生かして。すごく落ち着いている人だなと思いました。

――日本代表の前田コーチにハーフナーさんが期待していることを教えてください。

ストライカー目線の人だと思うので、森保さんが考えているFW像もあると思うんですけど。前田さんがやることによって、FWにもっと伝わりやすいかなと思います。「もっとこうしてほしい」とか、「こうやって点取りにいってほしい」みたいな。

個人的な見方ですけど、ワールドカップとかを見ていても日本代表のFWは守備の印象のほうがあります。なんかもうちょっと点に結び付けるような…FWには点をいっぱい取ってほしいじゃないですか。次のワールドカップまでに点の取れるFWが、ストライカーらしい魅力のある選手が出てきてほしいです。

別に批判をしているわけじゃないですけど(苦笑)、正直ワールドカップを見ていてもFWの魅力がちょっと欠けているかな、と。もっと点を取るFWが見たいというか、守備ももちろん日本代表の戦い方からしてみれば大事ですけど、もうちょっとガンガン点を取るFWが見られれば…。

やっぱり子供たちも「FWをもっと目指したい」「もっと点を取るFWになりたい」と感じてもらえる、魅力的なFWがもっと増えればいいかなと思います。

――ハーフナーさんの中で日本代表のセンターフォワードとして出てきてほしいタイプの選手はいますか?

戦い方が戦い方なんで。正直すごく難しいですね。今の日本代表のFWと言ったら「足が速くて守備ができる」というのがメインになりすぎていて。

それで点も取れると考えたら、昔の岡崎慎司さんが一番理想的なんですかね。走れて、守備もできて、あとしっかり点が取れるという部分ではオカくんはそこがすごかった。

なので、また戦い方も変わってくれば…個人的には大迫勇也選手を見ていたほうが楽しいな、と(笑)。もちろん前田大然選手も浅野拓磨選手もすごく良い選手です。彼らもどちらかというとJリーグだけでなく海外でも点をたくさん取ってきたFWですし。

多分彼らも結構いろいろ…なんだろう、不満もあるのかな(笑)。難しいですね、伝え方が(笑)

――日本ではよく大型のセンターフォワード待望論が上がります。イブラヒモヴィッチやベルバトフは前でキープをしてさらに得点力もありました。そういったFWの待望論が上がることについてはどう思われていますか。

日本の今のサッカーを考えたら、アーリング・ハーランドが一番理想かな。足も速いですし、今の代表チームのように守備を求められるなら走ることもできます。

ゴール前に持っていける迫力、大きさ、スピードもあるハーランドみたいな選手がやっぱり日本からも出て来ればいいかなと思います。

――ハーフナーさんが気になる日本人FWはいらっしゃいますか。

正直、昨年のJリーグも得点王が14点(※2022シーズンのJ1得点王チアゴ・サンタナ)では絶対いけないと思います。Jリーグでは特にいないかな。どちらかというと海外に行った若い選手が気になりますね。

今年、神村学園からボルシアMGへ直接行った福田師王選手。おそらくJリーグだと「守備をしなくちゃいけない」みたいな感じで育っちゃうと思うので、だったら海外で。まだそういう例が少ないじゃないですか。

若い時から海外にいてうまくいく。そういうのも見てみたいです。ソン・フンミンも結構若い年齢からドイツにいて、やっているサッカーが全然韓国の選手っぽくなかったですから。

なのでそういうのもちょっと期待しちゃいます。新たな化学反というか。日本人が若くして、そういう海外で揉まれたらどういう選手になるのか。

日本の良いところでもあるし悪いところでもあるのが、「出る杭は打たれる」みたいなところです。目立とうとしたら「調子に乗るなよ」みたいな感じで押し潰される選手は少なくなかったと思います。そういうのがほとんどないのが海外なので。

やっぱりストライカー。世界で点がたくさん取れるストライカーが生まれるのはそういう海外的な志向を持った選手になるかなと個人的に思っています。

――引退後に挑戦したいことはありますか。

これから色々また新しい経験もできるだろうし、結局はやっぱりサッカーに携わりながら色々新しい経験を積んでいければいいかなと思っています。

社会人リーグにいた時(※2021年から2年からプレーしたFC.Bombonera時代)、高校生を教える機会が1日ありました。指導者はまったく興味がなかったんですけど、その時は40人くらいの高校生を教えてみて、意外と面白いなと初めて思いました。

今は指導者も経験してみたいですし、何か面白いことが色々これからできればいいかなと思います。

――今後、日本サッカー界にどう貢献していきたいですか。

もし指導者になったら、それこそ代表選手になるような選手を成長させていけたらいいかなと思います。

あとはサッカーが日本でずっと盛り上がっていられるように盛り上げたいです(笑)。

インタビュー第1弾では、サガン鳥栖でのブレイクや、スペインでのレアル・マドリーとのラ・リーガ開幕戦、幻となった名門フェイエノールト移籍。

第2弾では父親のディドさん、弟ニッキのエピソードや、オランダ復帰やパネンカ失敗、欧州と日本の違い、フィテッセで同僚だったウィルフリード・ボニーなどについて、たっぷりと聞いた、

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こちらも非常に興味深い内容なので、ぜひご覧ください!

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