ホワイトタイガー「イーサン」お別れ 宇都宮動物園から山口へ

特製ケーキをほおばるイーサン

 【宇都宮】上金井町の宇都宮動物園で9日、山口県内の動物園に引っ越しする雄のホワイトタイガー「イーサン」のお別れ会が開かれた。

 イーサンは、2021年3月14日に宇都宮動物園で誕生。両親と兄のいる園ですくすくと成長し、体長約1.7メートル、体重約100キロまで大きくなった。

 動物の保護や繁殖を目的に全国の動物園で行われている「ブリーディング・ローン」の一環で今月、同県の秋吉台自然動物公園サファリランドに一晩かけて陸送される。

 集まったファンや家族連れを前に、荒井賢治(あらいけんじ)園長(58)は「秋吉台サファリは大きな動物園で、(引っ越しは)玉のこしとも言える。寂しさもあるが、みんなでお祝いしてほしい」とあいさつ。母親のシラナミに甘える姿やメッセージを肉で描いた飼育員お手製ケーキを贈られたイーサンは、完食後も名残惜しそうに空のお皿をなめ続けた。

 飼育係の西田純(にしだじゅん)さん(36)は「他の園に自信を持って送り出せるのは、健康でしっかり育ったということ。寂しさより喜ばしい気持ち」と、「虎の子」の旅立ちに目を細めていた。

空になった特製ケーキの皿を抱えるイーサン
空になった特製ケーキのお皿をなめるイーサン

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