オーガスタのグリーンで自問自答 松山英樹「課題はずっと変わらない」

松山英樹はグリーンに苦しみ最終ラウンドで後退した(Patrick Smith/Getty Images)

◇メジャー第1戦◇マスターズ 最終日(9日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7545yd(パー72)

サンデーバックナインに入るとき、首位とは5打差。松山英樹はアクセルを踏み込んだ。2年前、グリーンジャケットをつかんだときは後続に5打差をつけて残り9ホールを迎えたが、終わってみれば1打差。十分にチャンスが残る位置にあることは、身をもって知っていた。

最終ラウンドの1番でパーパットを外す(Patrick Smith/Getty Images)

10番で5mのバーディパットがひと筋右を抜けると、11番は3mが左に外れて首をひねる。12番(パー3)もしっかり打った9mが左、レイアップから5mのチャンスを作った13番(パー5)も繊細なタッチはカップをなめるように左を通過した。

「10、11、12、13とね、いいところにつけられていたんで、それが1個、2個入っていれば、もうちょっとね、面白い展開で残り4ホール5ホールできるかなと思ったんですけど、入らなかったので苦しいな、と。なかなか思い通りにいかなかった」。14番のアイアンショットはわずかに距離が足りずに手前の傾斜をこぼれ、勝負どころで先にスコアを落とした。ショットが乱れた上がり2ホールも連続ボギーで「75」。通算2アンダー16位で12度目のマスターズは幕を閉じた。

オーガスタで4日間を戦い抜いた(Christian Petersen/Getty Images)

第3ラウンド7ホールを残していた朝のプレーでは、明らかに力感を抑えたショットが目立った。週末から一気に冷え込んだこともあってか、かねて不安を抱えていた首の状態は今週も悩ましかったことをうかがわせた。その中で3バーディを追加して最終ラウンドを迎えられたのは、グリーン上の好機を着実にものにしていたから。「きょうの朝以外はスピードがつかめなかったですね。なかなか合わせられなかったのが悔しい」。開幕前から例年に比べて重い印象があったオーガスタのグリーン。2年前のチャンピオンも最後まで手を焼いた。

第3ラウンド前半に少し荒れたティショットは、4日間を通してみれば安定。一方で持ち味のアイアンショットは「総じて、ずっと悪かった」と振り返る。最終ラウンド11番は池に近い左サイドのピンに絡めたチャンスメークだったが、「あそこについたのは、たまたまじゃないですか。今週の感じでいうと…」。手応えがにじむアクションはなかなか見られなかった。

メジャー第2戦は5月の「全米プロ」。約1カ月後だ(Andrew Redington/Getty Images)

開幕前から、限られた時間でフォーカスしている様子もあったパッティング。納得いく練習を重ねるため、試合が始まって思い切りプレーするためのコンディショニング。トータルを見渡した上で「課題はずっと変わらない。それを克服していけるように頑張りたい」と言った。次のメジャーとなる5月の「全米プロ」(ニューヨーク州オークヒルCC)へ、立ち止まらずに挑んでいく。(ジョージア州オーガスタ/亀山泰宏)

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