第47回全日本クラブ野球選手権大会県予選最終日は9日、鹿沼市のヤオハンいちごパーク野球場で準決勝と決勝を行い、決勝で全足利クラブがTSK宇都宮に15-0で五回コールド勝ちを収め、9連覇を達成した。
全足利は押し出しなどで初回に4点を先制。三回には小野柊人(おのしゅうと)の満塁本塁打も飛び出し、一気に突き放した。13-0で迎えた五回には適時打などで2点を追加。15点差とし大会規定でコールドが成立した。
最高殊勲選手に岩崎昂佑(いわざきこうすけ)(全足利)、首位打者に8打数6安打の八代奨太(やしろしょうた)(同)、敢闘選手に小林佑輔(こばやしゆうすけ)(TSK)が選出された。
両チームは7月29、30日に足利市と群馬県太田市で開かれる関東大会に出場する。
日本一奪還へ準備万端
全足利クラブの山崎竜馬(やまざきりゅうま)主将は「最初にリードをもらい、相手に勝たせてもらった感じ」と控えめに振り返った。
とはいえ、その力は王者にふさわしいものだった。初回こそ相手の自滅から4点をもらったが、2回以降も毎回安打を重ねて加点。三回には「甘い球を逃さない気持ちで振った。風に乗って伸びたのでラッキーだった」と振り返る小野柊人(おのしゅうと)の満塁本塁打で、コールド勝ちを手繰り寄せた。
準決勝は先制した初回以降、中押しできずに苦しんだ。そのため「攻撃の手を緩めるな」と決勝前に共有。山崎主将は「決勝でその意識が見られたのは良かった部分」とうなずいた。
投手陣は入団10年目を迎えるエース中田智暁(なかだちあき)が4回無失点と絶好調。「打者のスイングを見ながら緩急をつけた」というベテランの投球術で相手打線を手玉に取った。
2021年の全日本クラブ選手権決勝でも先発し、優勝の原動力となった中田は「関東、全国では接戦が続く。このような点差でも慢心しないことが大事」と上のステージを見据えた。
今季は7人の新戦力が加入。2年ぶりの日本一奪還に向けて準備は万端だ。「去年より確実にチーム力は増したはず。あとは『勝ちたい』という執念。そこを育てたい」と山崎主将。力強く、頂点へ向かって歩み始めた。