長崎県議選 瀬川さん6選 薄氷121票差 西海

6選を決め、祝杯を上げる瀬川光之さん(左)=9日午後10時15分、西海市西彼町の選挙事務所

 12年ぶりの選挙戦となった西海市区。6期目を目指した自民現職の瀬川光之さんが、無所属新人との一騎打ちを制した。わずか121票差の薄氷を踏む勝利。地元西彼町の選挙事務所で瀬川さんは支持者らを前に「皆さんの力と支援、全てがなかったら今日この時を迎えることはできなかった」と、しみじみと喜びをかみしめた。
 「厳しい戦い」。市長経験者2人が“後ろ盾”となった相手陣営の攻勢に、瀬川さんは何度もこう漏らした。党県連幹事長や県議会議長などを務めたベテラン。ただ、2期連続無投票のブランクは想定以上に大きく、支援者は高齢化し、後援会を離れた人も少なくなかった。
 加えて、新型コロナ禍でここ数年は地元での活動を制限。例年、顔を出していた祭りやイベントがなかったこともあり、有権者の反応の鈍さに危機感が募った。選挙戦が濃厚となると態勢の立て直しを急ぎ、時間を見つけては市内を遊説。自らハンドルを握り1人で回ることもあった。
 昨秋以降、大石賢吾知事が度々西海市入りし、瀬川さんの県とのパイプの太さをアピール。選挙戦では経験や実績とともに、市内で今後、国、県絡みの事業が本格化することを踏まえ「きっちり仕事をさせていただきたい」と訴え、6選をたぐり寄せた。
 「西海市を『一流の田舎』に」との政策理念を掲げて挑んだ新人の武宮雄志さん。市長経験者の支援も得ながら、人口減少を最優先課題として浸透を図ったが一歩及ばなかった。

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