賃上げ額1万870円、上げ率3.81%で30年ぶりの高水準…連合福井が春闘中間集計

春闘の中間集計を発表する連合福井の矢野義和会長(左)=4月7日、福井県福井市問屋町1丁目のユニオンプラザ福井

 連合福井は4月7日、今春闘の中間集計(5日時点)を発表した。要求書を提出した105組合のうち61組合が妥結し、ベースアップ(ベア)と定期昇給を合わせた組合員の平均賃上げ率は3.81%、賃上げ額は1万870円となった。賃上げ率は現時点で、バブル経済の影響が残っていた1993年の3.93%に次ぐ、30年ぶりの高水準となっている。

 同じ61組合の前年実績と比較すると、賃上げ率は1.26ポイント増え、賃上げ額としては3702円増加した。上げ幅は共に89年の連合福井結成以来、最大となった。

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 連合福井は「物価上昇や人手不足を背景に、大手企業が相次いで満額回答を出し、中小企業でも高水準の回答が続いている。一部企業は要求額を上回る水準の回答も見られ、企業側の真摯な態度がうかがえた」と評価している。

 妥結した組合のうち、ベアを新たに獲得したり、前年を上回ったりしたのは約8割の50組合で、約5割だった前年同期(34組合)を大きく上回った。

 規模別でみると、組合員99人以下の賃上げ率が2.97%(前年比1.28ポイント増)、100~299人は2.88%(同0.89ポイント増)、300~999人は4.10%(同1.90ポイント増)、千人以上は2.88%(同0.84ポイント増)だった。

 業種別の賃上げ率では製造業が4.31%と最も高く、次いで商業流通が3.68%、公益・インフラが2.97%、交通運輸が2.37%となった。

 福井県福井市問屋町1丁目のユニオンプラザ福井で会見した連合福井の矢野義和会長は「賃上げによって消費を高め供給を増やしていく好循環をつくり上げていくためにも、今春闘は重要。県内中小の残り4割についても、期待感を持ち労使交渉に励んでいく」と話した。

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