UEFAチャンピオンズリーグの闘いが準々決勝に突入するなど、欧州サッカーシーンはここからが佳境だ。
ここでは、『FourFourTwo』による「現在世界最高のプレーメイカーBEST10」を見てみよう。
10位 トーマス・ミュラー(バイエルン)
彼はやや歳をとってきたかもしれないが、バイエルンの核であり続けている。
ぎこちなさがありながらすごいゴールを決める…だけでなく、他の選手にはできないペナルティエリア周辺のスペースを拾うこともできる。
ボールを持つと必ずゴールネットを揺らすか、シュートポジションにいるチームメイトを見つけ出す。今季もアシストを量産しており、この33歳はアンストッパブルだ。
9位 ピオトル・ジエリニスキ(ナポリ)
今季のナポリの快進撃はヴィクトル・オシメーンの得点力によるところが大きいが、脇役たちも愛するべき存在だ。
特にポーランド代表MFジエリニスキは、今季のセリエAでアシスト数とキーパス数がどちらも上位4位に入っている唯一の選手。
ハードワークなナポリの中盤で全てを仕切っているのはこの28歳だ。オシメーンは後ろにこのアイデアマンがいなければ、これほどゴールを決められていないだろう。
8位 ブルーノ・ギマランイス(ニューカッスル)
彼はこのリストの多くの選手とは異なる“ディープ”なプレーメイカーだ。
主に4バックの前に位置し、パスを集めつつ、そのドリブルで「プレッシングを突破」してチームを押し上げる。
ただ、彼は単なるディープラインMFではない。相手の背後に入った場合には、危険な位置にいるチームメイトを見つける能力があるほか、ボックス内に侵入してチャンスを仕留めようとする意欲もある。
7位 ジャマール・ムシアラ(バイエルン)
彼がストライカーになるのか、ウィングになるのか、攻撃的MFになるのか、それとも、トーマス・ミュラーのようになるのか、全く分からない。
ただ、とにかく彼はバイエルンの中盤に居場所を見つけた。
まだ20歳ながら、今季のバイエルンで突出しており、ドルトムントMFジュード・ベリンガムと双璧をなす。
ウネウネした走り、フィジカル、意識は全て並外れている。ブンデスリーガで最もクリエイティブかつ利他的な選手のひとりだ。
6位 ペドリ(バルセロナ)
彼がアンドレス・イニエスタから8番を継承したのはうってつけだった。
チャビ監督が率いる新しいスター軍団のなかでも最重要人物。その技術的な安心感と先を見通すパスはイニエスタと見まがうほど。
20歳にしてすでにバルサに欠かせない柱となっており、スペイン代表でも間違いなく絶対的な存在だ。彼がどれほど素晴らしい選手になるのかを考えるのはおそろしい。
5位 ブルーノ・フェルナンデス(マンチェスター・ユナイテッド)
彼は最近のユナイテッドで色々なものと闘わなくてはいけなかった。特に監督交代とクリスティアーノ・ロナウドの感情表現…。
ただ、ユナイテッド加入後はほぼ一貫してパフォーマンスを維持してきた。
プレミアリーグでのキーパス数やアシストでは上位にランクされており、彼ほど頻繁に致命的なパスを繰り出せる選手はほとんどいない。
マーカス・ラッシュフォードがゴールを量産するようになっているが、ブルーノがその気になれば、常にユナイテッドの主役であり続けるだろう。
4位 ルカ・モドリッチ(レアル・マドリー)
37歳になった史上最高のプレーメイカーのひとりにようやく時間が追い付いたようだ。
かつてほどのスタミナはないかもしれないが、レーザービームのような正確性、リーダーシップ、どこからでもチャンスを演出する神のごとき視野は健在。
今季はやや控えめに起用される傾向にあり、リーガでの骨の折れる仕事は若手に譲りつつ、チャンピオンズリーグのタスクに出来るだけフレッシュな状態で臨めるようにされている。
とはいえ、このクロアチアの魔術師よりも、ボールを奪うのが難しく、テンポを刻むのが上手く、キラーパスを出せる選手はいない。
3位 リオネル・メッシ(PSG)
GOAT(史上最高選手)であることにもはや議論の余地はない。
昨年末のW杯優勝でついにサッカーをコンプリートした。35歳ということを考えれば、代表で足手まといになっても許されたかもしれない。だが、彼はそうなるのではなく原動力になった。
【関連】日本人もいるぞ!エグすぎて「宇宙人」扱いされた超人スター7人
敵を寄せ付けない猛烈なスピードや強さはないかもしれない。だが、フィニッシュ、ビジョン、コントロールはいまでも人々を魅了する。
相手守備陣のスペースや弱点を探してピッチ上をうろつきながら、ボールが来たらギアを爆発させる。このGOATは全てをやり遂げたが、数字をひたすら積み重ね続けている。
2位 ケヴィン・デブライネ(マンチェスター・シティ)
待て、彼が1位ではないのか…。
今季も彼が数字的に素晴らしいことを考えれば、1位にしないのは犯罪的に思える。
キーパスでもアシスト数でもプレミアリーグのトップであり、ロボットのような正確性でシティの中盤を仕切っている。
だが、玉に瑕。前線にアーリング・ハーランドがいるにもかかわらず、デブライネは数年前よりもほんの少しだけ遅くなり、ほんの少しだけ弱くなり、ほんの少しだけ怖さがなくなっているように見えるのだ。
このマエストロはプレミアリーグ史上最高の攻撃的MFだろう。ただ、今季はそんな彼をも凌駕する男がひとりいる。
1位 マルティン・ウーデゴール(アーセナル)
アーセナルの最近10年のキャプテンたちは、リストの上位を支配する傾向にはない。
彼らはキャプテンマークを不名誉にも剥奪されたり、半永久的に治療台の上で過ごしたりしてきた。
だが、ウーデゴールはそのトレンドに抗い、さらにその上をいっている。
このノルウェー人はまだ若いが、ファイナルサードでのインテリジェントな動き、思いを込めたパス、テンポのコントロールでアーセナルの優勝争いを牽引。
グラニット・ジャカとのコンビはシーズンを通してワールドクラスにあり、首位に立つ大きな要因になっている。
もし、アーセナルがこのまま優勝すれば、毎週のようにその素晴らしいプレーで相手DFを音もなく燃やしている彼に大きな賞賛が送られるはずだ。