【連載コラム】MLB全30球場を制覇 第16話 スター勢揃い! MLB屈指の名門と野球の祭典

澄み渡る青空。美しい芝。白球が奏でる音に、歓声が重なり合う。最高峰のプレーに心躍り、熱く盛り上がる場所。メジャーリーグ武者修行の旅でアメリカ中を飛び回り、全30球場を制覇したスポーツアナウンサー福田太郎が、あなたを「夢のボールパーク」にお連れします。MLBスタジアムの世界へ、ようこそ。

MLB屈指の名門と野球の祭典

昨季111勝を挙げ、球団記録を塗り替えたドジャース。遡ること140年前の1883年に、ニューヨークで誕生しました。1940年代には「ブルックリン・ドジャース」で黒人初のメジャーリーガーとして、ジャッキー・ロビンソンさんが活躍。

1958年にチームがロサンゼルスへ移り、1962年から「ドジャー・スタジアム」の歴史が始まりました。

2022年の「オールスター・ゲーム」でホストを務めたドジャース。MLB屈指の伝統球団にとって、実に42年ぶりでした。

しっかり準備されていたなかで2年越しの祭典。毎年各地で開かれる「オールスター・ゲーム」を楽しむため、2022年の様子を一緒に見てみましょう!

[街中がオールスター・ムードに!](

ドジャー・スタジアムへ

空の玄関口、ロサンゼルス国際空港(LAX)から、車で約30分。便数の多さや利便性の良さからも、日本から一番行きやすいMLBスタジアムです。空港に面した公園では、子どもたちが、数分おきに着陸する飛行機と野球を楽しんでいます。

ロサンゼルスの夕方の交通渋滞(トラフィック)はとても厄介。ハマってしまったら、3倍の1時間半以上かかります。ビバリーヒルズ方面、北回りで行けば、かの有名な「HOLLYWOOD」の文字が見えるルートもあるので、時間に余裕を持って、楽しみにながら移動してみるのがおすすめです。

ボールパークの駐車場はとても広く、車を降りてからも、坂道を上ります。山頂に着いたら、球場に入る前に、ぜひ一度、振り返ってみてください。ロサンゼルスの街を一望できます。ヤシの木の向こうには、5万6000人ものお客さんを迎えられる巨大な空間。伝統の青い壁が見えて来ました! Dodger Stadium! Nice to meet you!!!

Ballparkの楽しみ方

2014年に新設された「センター・フィールド・プラザ」は、美味しいグルメや楽しいイベント、キャラクターたちとのグリーティングなどで、ファンの皆さんが集う場所です。球場内のあちこちに、銅像や巨大ボブルヘッド、チャンピオンズリングなどのモニュメントがあって、写真を撮るのにもぴったり。強豪球団らしく、チームストアのラインナップも充実しています。

ボールパークといえばホットドッグ! というカルチャーを作った名物があります。伝統の「ドジャー・ドッグ」はシンプルですが、世界で一番売れている「ザ・ホットドッグ」なんだそう。ビールとの相性もバッチリです。これで決まり!

オールスターゲーム2022

ホームランダービーと、ナショナル・リーグ対アメリカン・リーグの試合が2日間にわたって行われます。期間中は「オールスターウィーク」と呼ばれ、球場のみならず、開催都市の街中も大盛り上がりです。

特設会場を巡ってみましょう! まず、ロサンゼルスのダウンタウン「DTLA」には「PLAY BALL PARK」が出現。スポンサーとのコラボレーションで、投げて打って守って遊べるアトラクションや音楽ライブなどが無料で楽しめます!

また、コンベンションセンター内にある有料エリアでは、圧倒的な演出のイベントや充実のキッズエリア、野球道具の展示に、オールスター・グッズの先行販売も。

さらに、アメリカを横断できる道路「ルート66」の最西端として人気の観光地「サンタモニカ・ビーチ」にも。桟橋の上では、人気野球カード「トップス」が、世界でたった一つ、自分だけのカードを作ってくれます。

驚きなのは、砂の上に造られた「野球場」です。まるでビーチバレーのように、ビーチ・ベースボールを楽しんだ子どもたち。試合が始まる前から、ワクワクが高まっていきます。

[ビーチ・スタジアム!](

真紅の絨毯をスター選手が歩く「レッドカーペット」も必見です。大谷翔平選手の姿が見えて、一際大きな歓声が上がっています!

[Shohei\! Ohtani\! 愛されてます!](

ドジャースと日本野球

最も景色が良い、スタジアムの最上階には、日本語の看板があります。1995年、史上2人目の日本人MLB選手になった野茂英雄さんのボブルヘッドも、大切に飾られています。

それよりも昔、60年ほど前に、単身アメリカへ渡り、ドジャースの球団職員になったアイク生原(生原昭宏)さんのお話をさせてください。「野球はプレーするだけじゃない」と、日本から海を渡った人たちのサポートを献身的に続けました。オマリー会長の補佐として、日米野球の交流に尽力し、日本の野球殿堂にも入った、いわば日米野球の架け橋です。

今、こうして日本人選手が世界最高峰の舞台に挑戦できて、私たちがメジャーリーグを身近に感じられるのは、アイクさんのおかげだと、ドジャースの歴史が教えてくれました。

[いつも青い空、眩しい太陽がお出迎え](

次回は、今年のオールスター・ゲームの開催地「シアトル編」です。イチローさんをはじめ、多くの日本人選手もプレーした「マリナーズ」の魅力をお届けします。

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福田太郎(ふくだ・たろう)/ 1991年生まれ。HTB北海道テレビ放送アナウンサー。プロ野球の実況中継や、朝の情報番組MCを担当した後、2022年2月から11月まで休職。MLB全30球団・ボールパークを訪ね、世界最高峰のスポーツエンターテイメントを学び、12月に復職。写真:福田太郎

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