「九重版DMO」設立へJTBから戦略マネジャー 観光軸に地域活性化目指す【大分県】

九重版DMOの戦略マネジャーに就任し、「地域の魅力を発信したい」と意気込む田村敦さん=九重町役場

 【九重】観光を軸に地域全体のさらなる活性化を図るため、九重町が来年度の設立を目指す「九重版DMO」の戦略マネジャーに、旅行大手JTBから派遣された田村敦さん(51)が就任した。「発足に向けて課題を整理し、組織の基盤づくりを進めていく。やることは山積みだが、すごく楽しみ」と張り切っている。

 DMOは明確なコンセプトに基づいて観光地域づくりに取り組む法人。観光にとどまらずさまざまな分野を巻き込み、地域全体の多様な魅力の発掘、情報発信に力を入れる。

 町は2017年策定の観光振興計画に骨子を盛り込み、18年に準備委員会を立ち上げて町にふさわしいDMOの在り方を模索してきた。

 田村さんはJTBで法人営業が長い。熊本城(熊本市)を運営する共同企業体、佐賀県から委託された農村ビジネス推進事業など、地域づくりの経験も豊富にある。

 3日に日野康志町長から委嘱状を受け取った。商工観光・自然環境課に籍を置き、各分野の個人・団体と一緒に法人化に向けた事務作業、スタッフの人選など準備を進める。任期は2年間。福岡市に家族を残し、町内で生活する。

 町の第一印象は「日本一の大吊り橋、たくさんの良質な温泉、自然豊かな景観の3点」。魅力をどう発信していくか探るため、「まずは地域を知り、住民の思いやニーズを理解することから始めたい」。

 町を中心に県全体、九州全体にも波及効果が見込めるような事業展開を目指す。「引っ張るというより、地域の方々と共に歩むのが理想。マラソンのペースメーカーのような存在になれるよう頑張りたい」と話している。

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