<南風>苦手だからこそ

 去る3月21日にドライブスルーのカフェをオープンした。開店時間は、午前7時半からなのだ。仕事前や子どもを学校に送った後など、寄り道コースとしてドライブしてほしいというのが目的だ。

 早起きが苦手な私だからこそ朝の時間にしたというのも、理由の一つにある。打ち合わせのアポを入れる際も、あえて朝イチで入れることが多い。何か理由をつけて、早起きしたいからだ。

 理由は、まず朝が早く起きることができたというだけで自分自身のやる気スイッチがいつもより増すからだ。早起きしているだけなのに気分が上がる。もう一つは、早起きをしたからといって就寝時間が変わらない。だからこそ一日が長く感じ、得した気分になる。

 前に、先輩からこう言われたことがある。「苦手と発言するから、脳が苦手と思い込む」。言葉には魂が宿っているということだ。私もそう思う。

 おそらく、周りの人は私が朝が苦手な人という印象はないであろう。自分自身でそうだと決めつけているのだ。

 自分に朝が得意と言い聞かせ、始動した事業の門出を楽しんでいきたい。このコラムも最近では、そのカフェで朝の時間を活用して執筆している。

 空と緑と、とてもすてきな自然の景色を見せたい。のどかで落ち着く場所だ。ぜいたくすぎると言える時間だ。

 オーダーが入ってからコーヒー豆をひくのだが、その匂いに癒やされながら、JAZZをBGMにパソコンのキーボードをたたく。

 6月までしかないこの執筆も残り半分を終えており、残りは片手で数えられる回数になった。頂いたこのご縁と、今ある時間に感謝し、朝の時間を有効活用して楽しみながら理想とする自分を少しずつカタチにしていこうと思う。

(比嘉利加、フリーランス)

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