低投票率

 ほぼ総崩れである。どんなふうに嘆いたらいいのか、新しい言葉を実はあんまり思いつかない。日曜日に投開票された県議選の投票率は平均で46.58%▲少し詳しく見ると、前回との比較が可能な7選挙区のうち、投票率が上がったのは14議席を23人が激しく争った長崎市区だけ。西彼杵郡区は微減、島原、大村、松浦は6~7ポイント台の低下で、五島市区の14ポイント減は思わず見間違いかと疑った▲投票率の低迷については、さまざまな有権者心理が語られてきた。関心がない、誰に投票していいか分からない、自分の1票があってもなくてもおそらく結果は変わらないし、政治も変わらない▲“行かない理屈”は多彩で手強い。「政治に切実な期待を寄せなくても、そこそこ豊かに暮らせている」「暮らしは大変だが、政治には解決を期待できない」「自分の思いを社会に反映させる方法が政治以外にもある」…中には反論の難しそうな主張も▲投票に行きましょう、と今回もこの欄に書いた。正直なところ毎度諦め半分なのだが、そこは「諦めたら試合終了」とあの名言を抱きしめて▲いや、いっそ試合が終わるならいいのだが、民主主義も選挙も終わりなく続く。だから、諦めるわけにはいかないのだ。統一地方選は1週挟んで後半戦、より身近な場所が舞台になる。(智)

© 株式会社長崎新聞社