長崎県議選 白川さん“三度目の正直” 「やっとスタートライン」

同級生から花束を贈られ抱き合って喜ぶ白川鮎美さん(左)=9日午後11時6分、長崎市椎の木町の選挙事務所

 初めてつかんだ「当選」に感極まった。長崎市区の立憲民主新人、白川鮎美さんは2019年と昨年の参院選長崎選挙区に挑み、涙をのんできたが“三度目の正直”を果たした。「感謝の言葉に尽きます。今やっとスタートラインに立てた。皆さまの課題解決にまい進したい」。同市椎の木町の選挙事務所に歓喜が響き渡る中、深々とおじぎをした。
 昨年7月の落選直後は「もう国政に挑戦することはないと思うが、県民に少しでもお役に立つ仕事ができれば」と語っていた。その後、同党の山田勝彦衆院議員(比例九州)の公設秘書となり、裏方として政治に関わるようになった。
 転機は同11月、同市区選出県議で党県連幹事長の離党(除籍)だった。党内から「県都で立民の議席を失うわけにはいかない」という声が出た。県議選まで半年を切る中、知名度が一定あり戦える候補として白羽の矢が立った。
 秘書になったばかり。佐世保市在住で地縁も薄く、「悩みに悩んだ」。だが地域を回れば、新型コロナウイルス禍や物価高騰で苦しむ市民の悲鳴が耳に届く。「国政より身近な県政で、県民の生活を支えたい、命を守りたい」。三たび政治家を目指す覚悟を決めた。
 年末に移り住んだ東長崎地区を中心に思いを訴えて回り、女性活躍を望む声にも支えられた。失意の落選から9カ月。「愛する古里の未来を諦めない。全力で働きたい」。議会という新たなステージで県民と共に歩み始める。

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