4年ぶり全10戸で花見 茂木・山中集落

シダレザクラの花びらが舞う中、4年ぶりに開かれた花見会

 小深(おぶか)の山中地区の集落で、住民が町道沿いに植樹して育ててきたシダレザクラをめでる花見会「桜の会」が9日、全10戸が参加して4年ぶりに開かれた。

 町北部山間部にある同地区は過疎と高齢化が進むが、町や芳賀地区森林組合の協力で1997年からベニシダレザクラの苗を植え続けてきた。現在では集落を通る町道沿いなどに約250本が見事な花をつける。

 花見会は、現在10戸しかない集落の全員が集まる年2回の行事の一つ。そばや煮物、漬物など手作り料理を持ち寄り、地区外に出た子や孫を含め約25人が、サクラに囲まれたあずまやに集まった。花びらが舞う中、昼の2時間余りを笑顔で近況を語らって過ごした。

 サクラは今も植え続けている。区長の桧山紀六(ひやまきろく)さん(83)は「コロナでできなかった花見が花吹雪の中できてよかった。いつかこのサクラが町の名物になるといい」と話した。

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