諫干開門 第2、3陣訴訟 漁業者が上告

 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防の開門を湾内漁業者が求めた第2、3陣訴訟で、原告側は一審長崎地裁判決を支持して請求を棄却した福岡高裁判決を不服とし、上告した。10日付。
 二審判決は争点だった閉め切りと湾内の漁獲低迷との因果関係について、「漁場環境の悪化を招いた高度の蓋然(がいぜん)性がある」と認定。ただ、事業には高い公共性、公益性があるとし、開門で防災機能が損なわれることなどを総合的に考えると請求は認められないとした。弁護団によると、上告したのは控訴審で争った漁業者26人のうち12人。
 開門問題を巡っては、第1陣訴訟で最高裁が2019年、漁業者の上告を棄却したのに続き、開門を命じた10年の確定判決の執行力排除を国が求めた請求異議訴訟でも最高裁は今年3月、漁業者の上告を退けている。

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