人権侵犯事件 横ばい117件 2022年長崎県内 ネット上では最多

 長崎地方法務局は24日、2022年に同局が取り扱った「人権侵犯事件」の状況を発表した。新規は117件で前年と同数。インターネット上の人権侵害は17件で2015年以降、最多だった。ネット利用率が高くなっていることや、ネット上の誹謗(ひぼう)中傷に対する意識が高まり相談につながるようになったことなどが背景にあるとみられる。
 ネット上の具体的な事例では、電子掲示板上に県内の特定の地域が同和地区であると指摘する書き込みがあることが発覚。サイト管理者に書き込みの削除を要請し、削除された。
 新規のうち、教職員など公務員らの職務執行に伴う事件は48件。うち「いじめ」に対する学校側の不適切な対応などが41件で大半を占め、体罰も5件あった。
 私人間の事件は69件。うちプライバシーに関する侵犯事件は18件、妻への暴行や児童虐待などが15件、近隣住民間でのトラブルなど住居・生活の安全関係が11件だった。
 同局は「悩み事や困り事があれば気軽に相談してほしい」としている。相談は「みんなの人権110番」(電0570.003.110)。

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