栃木ゆかりの傑作一堂に 喜多川歌麿など177点 栃木市美術館で15日から

展示される喜多川歌麿の「高島おひさ」(市提供)

 【栃木】市美術館は開館記念展として、市ゆかりの美術作家の傑作を集めた企画展「明日につなぐ物語」を15日から開く。浮世絵師喜多川歌麿や日本画家田中一村など9組の作品177点を展示するほか、学芸員によるギャラリートークなど関連イベントを実施する。同館は「栃木市は優れた美術作家を輩出している。多くの人に市ゆかりの美術への認識を深めてもらいたい」としている。6月18日まで。

 同館と市教育委員会の主催。竹工芸家の飯塚琅玕齋などの飯塚一門、洋画家清水登之、刑部人、版画家・彫刻家鈴木賢二らの作品も紹介する。

 目玉は喜多川歌麿の美人画「高島おひさ」や田中一村の代表作「アダンの海辺」、漫画「昭和元禄落語心中」の作者で市出身の雲田はるこさんのイラストなど。展示品のうち150点を江戸東京博物館(東京)など県内外の美術館から借用する。

 喜多川歌麿と飯塚一門、雲田さんの作品は前期(4月15日〜5月14日)と後期(5月16日〜6月18日)で一部展示替えを行う。

 関連イベントとして4月15日、同所のキョクトウとちぎ蔵の街楽習館で記念講演会を開く。神奈川県箱根町にある岡田美術館の小林忠館長が「栃木が育てた浮世絵師歌麿、栃木に生まれた日本画家田中一村」をテーマに講演する。このほか5月中にギャラリートークや雲田さんのサイン会を予定している。

 午前9時半〜午後5時(入館は4時半まで)。月曜休館。観覧料は高校生以上千円、中学生以下無料。関連イベントは事前申し込みが必要。(問)同館0282.25.5300。

展示される田中一村の「アダンの海辺」(市提供)
15日から始まる企画展のチラシ

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