るなっち☆ほし - セルフプロデュースになった るなっち☆ほしが新たな世界へ飛び立つニューアルバム『音楽って最高!』をリリース! ロングインタビューを敢行!

自分で行動すれば変わることってあるんだ

──まずは自己紹介をお願いします。

るなっち☆ほし:皆さんこんにちは。笑顔届ける流れ星るなっち☆ほしです。普段は正統派破天荒アイドルと声優を務めてます。

──去年からセルフプロデュース、フリーランスになりましたがいかがですか?

るなっち☆ほし:実は自分の中で転機があって去年の6月に事務所を退所してフリーになったんですけど、今までの体制が長くて一緒にやってきたマネージャーとも離れて完全に一人になってしまったんです。そのときにお客さんから見た私って多分、事務所辞めたから規模が縮小していくんじゃないかとかやれることに限界があるんじゃないかって思われてしまうんじゃないかと思って。でもお客さんにそう思わせたくなくて辞めてからすぐワンマンとアルバムを作ろうと決めてました。ただそのときの私ってメールも送れないし会場を押さえることもできなかったので凄い手探りでやって、セルフでやってるアイドルさんからアルバムの作り方やメールの出し方を聞きました。
フリーランスって限界があるって言われがちだと思うんですけど、それを良い意味で突破したいなっていう気持ちが強くて、事務所に入らないとできないのではないかとけっこうみんな思ってやってないこととか多いと思うんですけど、だから自分で一回やってみようって思ってメールとかで好きな人とかにメールを送りまくりました。その一人が今回の「SHOOTING☆STAR」っていう楽曲のMr.Asyuさんという方で、でも普段だったらできないと思うじゃないですか、だけどコンタクトのメールアドレスがあるから一回自分の言葉で送ってみようと思って。
多分事務所だったら形式的な文章になると思うんですけど、私の気持ちをラブレターのようにずらーっと書いて送ったんですよ。そしたらお返事が来て楽曲作りますと言ってくれて、このオファーが成功したことで原動力になったなと思いました。自分で行動すれば変わることってあるんだと思うことがきっかけでアルバムを作るにあたっていろんな人にメールをしました。もちろん普段から楽曲を作ってもらってるこはる。さんだったり、CHEEBOWさんにも楽曲制作で協力してもらいました。

──前作『たまんねぇなー』の制作には近い関係の人が多かった印象ですが、今作では様々な方が楽曲提供しています。

るなっち☆ほし:そうですね。前作は界隈が近い人が多くて、今まではマネージャーさんと相談しながら私の希望を提案しつつやってたんですけど、もともとゲームミュージックが好きだからとことん好きなものに突き進んでいこうかなと思って、自分らしい曲を作ってもらうために仕様書を書いて、こういうふうに作ってほしいって出したので今までの作品にと比べてもより純度100%のアルバムになったのかなとは思います。

──仕様書はどういった感じで出したんですか。

るなっち☆ほし:実は1月に開催したワンマンのタイトルが『正統派破天荒』なんですけど、それに向けて正統派サイドと破天荒サイドで曲をお願いしてて、例えば「いちごミントの夏」は正統派、「IQ5000」は破天荒という感じでバランスを見ながら作ってて。作曲家さんごとに正統派な楽曲をお願いします、破天荒な楽曲をお願いしますって言ってそこから肉付けしていきました。

──アルバムの印象はいかがですか。

るなっち☆ほし:出来上がって思ったのは、るなっち☆ほしらしく作っていただいたなって。もちろんキャラソンみたいな「IQ5000」みたいな曲とかは分かりやすいんですけど、「いちごミントの夏」も正統派で私が歌ってこなかったようなしっとりした曲をお願いしてちゃんと馴染んでくれたことが嬉しくて、皆の思うるなっち☆ほしで書いてくれたんだなって伝わりました。
このアルバムは私が活動をしてきた中で出会った人にお世話になることが本当に多くて、例えば「きらきらっきー☆」を作詞してくださった森若香織さんはLOFT9で共演したのがきっかけだったんですよ! そのトークイベントのときに作詞してくれませんかって伝えて、そのイベントで私が山に登るっていうのと、ご飯を食べるのが大好きだから、「おかわり3合GOGO」って言ってたんですよ。そしたら「きらきらっきー☆」を頼んだときに歌詞に入っていたんですよ。凄くない? と思って。今まであったこととかが歌詞として出来上がっていることに感動したり、フリーランスだからこそ人の力を借りないとできないことが多かったので、そういう意味ではこの人とはここで共演したのねとかが散りばめられてここにぎゅって詰まってきたなと。

──森若さんの起用は驚きました。

るなっち☆ほし:そうですよね。森若さんはけっこうアイドルさんの作詞をしているイメージがあって、自分の中ではでんぱ組.incさんに歌詞を書いている人だってイメージが強かったんです。森若さんの歌詞を歌詞カードで見たときに目で見て可愛かったんですよ。聴くだけじゃなくて、見ても楽しいことに感動してお願いしました。

お客さんを笑顔にしたら勝ち

──曲が誕生した時系列を教えてください。

るなっち☆ほし:今回の楽曲は再録曲を含めてなんですけど、半年で出来上がった楽曲がほとんどです。最初に頼んだのはMr.Asyuさん、こはる。さん、CHEEBOWさんに頼んでそのあとに森若さん、ワンマン近くでかききまなみちゃんに「銀河に願いを2」をお願いして。

──「富士山」を書かれた立秋さんはどんな方ですか。

るなっち☆ほし:立秋さんは福岡在住なので遠隔でやり取りしていて、私がフリーランスになって大きくシフトチェンジして、より声優の道を進みたいとか2次元になりたい気持ちが大きくなっていて、音ゲー界隈の方にも楽曲提供してもらおうと思ったのがきっかけです。
今まで渋谷系とかやっていたんですけど、私の純度100%の好きを詰めていくってなったらそっちかなと思って舵を切ったので最初は不安でした。今まではちょっとお客さんが好きそうな曲とか、私のファンの方に刺さるっていうのを意識して作ることも多かったし、実際人気曲になっている曲もあるんです。だから私が好きなことをやってお客さんが置いてけぼりにならないかなっていう不安があったのですけど、いろんな所で披露していくうちにお客さんにも受け入れられて私も嬉しかったです。私の好きなことやってもいいんだって自信にも繋がったなって思いました。「富士山」とか本当に受け入れてもらえるかな、ここまでやっちゃって良いのかなって思いました。

──「富士山」、「IQ5000」はライブで再現するのが大変そうですが。

るなっち☆ほし:それは私も思ったんですよ。こういう曲やってる人って歌ってみたとかで顔出してないとか、完成されてる音源なんですよね。むしろ私しかいなくない? と思って。ある意味、生のライブで聴けるっていうのを強みにしていきたいなって思いました。

──グループのアイドルさんにはいますけど一人ではあまりいないですよね。

るなっち☆ほし:ですよね! 私は一人で歌って踊るから、こういう曲を歌うには体力が必要だなって思って普段趣味でやってる山登りも体力作りだって思いながらやって、ワンマン前も走り込みにジムに行って息切れしないようにしていたりとかして。体力面でも鍛えられました。
ライブパフォーマンスでもう一つ変わったのが生歌じゃなくていいんだって。お客さんは口パクを嫌うので私にも抵抗があって、だけどそうじゃない! お客さんを笑顔にしたら勝ちだと思ったんですよ。それに気付いてからは歌ってないパートもあるんですけどそこをどう面白くできるかとか、今まで歌っていて顔を作れなかった分お客さんにそういうところを見てもらいたいなとか新しいるなっち☆ほしを見せられるんじゃないかなと思って、そこのパートは毎回顔とか動きを変えたりしてやって、新しいエンタメの形を提供できたんじゃないかと思います。だからと言って歌を疎かにしたらいけないのでちゃんと歌うところは歌うんですけど、今までやっていたことを良い意味で取っ払っていきたいなという気持ちになっていきました。

『音楽って最高!』というタイトルは何気ない一言が始まり

──アルバムの構成が前半と後半でがらっと変わっていますね。

るなっち☆ほし:そうなんですよね。最初アッパーな感じの曲から始まってだんだん聴かせる感じになっていくんですけど、曲順も自分で考えて凄い楽しかったです。実は『音楽って最高!』というタイトルがあるんですけど、そのタイトルのもとが2019年に私が言った一言だったんです(笑)。何気ない一言だったのですけど、それが凄いウケて自分の名前が「るなっち☆ほし」っていうのがだんだん受け入れられてきたように、『音楽って最高!』っていうちょっと普通の人が付けないようなタイトルも私が言ったらこれが普通ってなるのじゃないかと思って付けたのがきっかけで、でも一応調べたのですよね。『音楽って最高!』って被ってないかなって。ありそうだけどなかったから私だけだってなってそれが決め手になりました。
後からいろいろカチってハマったことなんですけど、「triangle again」って曲を最後に入れていて、この曲が3年前くらいに作られたんですけどいろいろ理由があって音源化できなくて、やっと音源化できるってなったときにアルバムに入れようとなりました。
これは私が作詞しているのですけど、曲のテーマとしてトライアングル、三角の再生ボタンをイメージして、歌詞の中に「サイドポケットから取り出す2人繋ぐコード」っていうのがイヤホンだったりそういうところが散りばめられていて、あーこの曲良かったなもう一回聴こうみたいなイメージで付けたのですけど、これを最後に持ってくることによってアルバムをもう一回聴いてもらえたりとか、『音楽って最高!』の意味を成すのじゃないかなって思って。だから3年越しに全部がカチってハマったなっていうのが凄い気持ちよくて。

──3年前からあったんですね。

るなっち☆ほし:そうなんです。私の楽曲っていろんな人に頼んでいることが多いので、バラバラになるんじゃないかっていつもタイトルに悩むんですよ。普通は統一したテーマとかに合わせて作ると思うんですけど、バラバラな中どういうテーマにしようかとかいつも悩んでて、『音楽って最高!』ならどれでも当てはまるなって思ったんですけど、具体的なトレーラーをいただいたとき綺麗にまとまったなと感動したんです。全部自分の曲になってくれたとか、アルバムとしてまとまりのあるものになったことに感動しました。あんなとっ散らかっていたはずなのに全部を通して好きを詰め込んだアルバムで作品としても素晴らしいものになったなと思ったんです。
これが名刺代わりなるというか、これが私ですって言えるようなアルバムになったなと。自分で全部やったので凄く愛着が沸いた宝物なんです。純粋にいろんな人に聴いてもらいたい気持ちが強くてこれはどこに出しても恥ずかしくないなって思って作っていたので、だから出来たときは感動しました。

──とっ散らかっているとは感じませんでした。通しで聴いたときにまとまっているなと思いました。

るなっち☆ほし:それが不思議でした。一曲ずつ頼んだりしているから。最近悩んでいたことが、一言で言うとどういう曲を歌っているんですかって聞かれたときにいつも困っていたんですよ。アーティストさんって一言で言えるじゃないですか。ロックをやっていますとかジャンルがあるけど私はけっこうバラバラだからどうしようかなって思っていたのですけど、このアルバムを通してこれが自分なのだって今までぼんやりしていたことがこれがるなっち☆ほしっていうふうに鮮明になったなって。楽曲のテーマ、やりたいことがお客さんに伝わってきたなと思いました。

『音楽って最高!』、本人による全曲解説!

① NEWWORLD

るなっち☆ほし:この曲も思い入れが強くて、ワンマンのSEを新しくしようっていうことから始まって、ヒバリさんとも長いんですよ。もともとエンジニアとして私がレコーディング屋さんに行っていたときからお世話になっていた人で、ずっと私の声も知っているし、曲も歌い方も全部知っているような人で、最近のワンマンをするにあたってめちゃめちゃレコーディングに行っていてお話とか親身になって聞いてくれたりしていて今回SEを依頼しました。
あんまり自分からはこういうふうにお願いしますとは言っていなかったんですけど、新しい自分の時代とかワンマンに合うように作ってくださいって頼んだらSEの中に今までの楽曲のフレーズとかを入れてくれたんですよ。「ハローるなっちワールド!!」とか「オーバーランDA!World」、「とげとげパーテーション」とか。歴史を感じるようなSEで凄い気に入っているんですよ。オープニングとして凄く良いなって。
やっぱり一番レコーディングでお世話になっていた人に楽曲を書き下ろしてもらうってことが凄いありがたいなって思ったし、一番最初に名前が入っているのも嬉しくて作ったもらえて良かったです。
タイトルも新時代って感じで、ワクワクするような今の私にしかできないような楽曲だなって思いましたね。

② きらきらっきー☆

るなっち☆ほし:作曲はいつもるなほしのキラーチューンを手掛けてくれているつーつーさんという方で、お客さんがスケッチブックを出してコールをしてくれるような、るなほし楽曲にはなくてはならない楽曲を作ってくれてます。『ギュウ農フェス』に出るにあたって新しい曲が欲しいと思ってお願いしたんですよね。つーつーさんは作曲専門なので作詞はいつも前のマネージャーとかに頼んで作ってもらっていたんですけど、今回どうしようと思ってなったときに森若さんに会ったときに頼んでみたら二つ返事で良いよって言ってくださって嬉しかったんですけど、社交辞令の可能性もあるじゃないですか。だって音楽に詳しくない親にでも伝わるんですよ。今まで親からどんな音楽やっているのって聞かれてもうまく説明できなかったのに森若さんって言ったら、あー! ってなるんですよ。そのくらいビッグネームの方が書き下ろしてくださって嬉しかったです。
毎回つーつーさんには天文学のような星とかキラキラしているようなものを楽曲に入れてくださいってお願いしていてそれを森若さんも納得してくれて、るなっち☆ほしらしく作るねって言ってくれて、それでもらったタイトルが「きらきらっきー☆」で。
私、凄い衝撃を受けて、最初は凄い驚いたんですよ。きらきらとラッキーの造語なんですけど、ネットで調べたら一個もなくてこの世にないワードを生み出してくれたことがまず衝撃でした。やっぱり森若さんの作詞センスは本物だって改めて驚きました。私には絶対書けないような素晴らしい歌詞だし、パーソナルな部分も入れてくれたりしてフェスでは大盛り上がりでした。ワードの語感も良いので歌っていて凄く楽しいんですよね。
曲も歌詞も良くてこの曲がない時代は考えられないってくらい大事な曲になりました。るなっち☆ほしといえば「きらきらっきー☆」っていうくらいの曲で毎回盛り上がるし、歌っていて泣きそうになります。
「見つけてラッキースター」とか希望が湧いてくるなって。私のやりたかったアイドル像がそのままだとか、お客さんに夢と希望とか笑顔を与えるお仕事をやっているので今の私のぴったりだなって。笑顔届ける流れ星っていうキャッチコピーでやってきたけどそれを体現する曲になったというか曲で自分のやりたいことを表現するならこの曲だなって。本当にいい曲を作ってもらいました。

音楽って自由だな、何を歌ってもいいんだ

③ おうになろう!

──歌詞が変わっていますね。

るなっち☆ほし:これは正統派だと思っていました(笑)。ずっとお客さんから、佐々木喫茶さんから楽曲提供してもらえたらいいねって言ってもらっていて、喫茶曲を出したらお客さんも喜んでくれるかなと思いながら依頼したんですよね。アルバムとしても強い曲が欲しくて。
私のソロでやっている声優さんに対してのイメージが王国とか帝国を作っているイメージがあって私も作りたいなって。私も声優になるための曲として依頼しました。
自分のお客さんって熱狂的なファンが多いので統一した曲が作りたいなってことで王様をテーマに書き下ろしてもらいました。
喫茶さんの作詞センスも凄いんです。全部サビが「おー」から始まったり、語感とか凄い気にしているんだなと。歌っていても楽しいです。バランスよく作ってくださって念願の喫茶曲だって喜んでもらえたのが一番嬉しかったし、偶然なんですけど私が楽曲を依頼したのが10月、披露が12月とかだったんですけど、そのあとに特撮で『王様戦隊キングオージャー』っていうのが出たんですよ。先見の明だやっぱり流行ってるんだと思って(笑)。
私がやっていることって、自分自身がけっこうアナログ人間なのでちょっと古くさい気がしていたんですけど、特撮とかニチアサでやっているなら最新だわ、王で良かったと思いました(笑)。
今の時代、プリキュアもヒーローの出番ですって言っていて、女の子だけどかっこいいとか強いをテーマにしているのでそういう女性にも憧れるなって思って、フリーランスで自分で何とかしようとか自分で引っ張る力が必要とされてきた中「王になるなら今だ!」と思ってこういう曲も依頼したんです。けっこうコロナの時代が長かったじゃないですか。だからお客さんがコールとか声出しの仕方を忘れちゃったんです。「おうになろう!」が凄い盛り上がる曲だと思うので、これから模索して王国を建設できるような楽曲に育てたいなって思って! なので、アルバムいっぱい聴いてもらって皆さんは国民になっていただいっていうのを想像しながら聴いてもらえたらと思います。

④ 富士山

るなっち☆ほし:立秋さんの楽曲は中毒性のある曲なんです。同じ言葉をずっと言っているんですよ。
お客さんが頭空っぽにして見れるなとか、そういう楽曲が一曲欲しくて。こっちは間違いなく破天荒サイドなんですけど(笑)。
私が日本カルチャーをテーマにしたいって言ったんです。けっこうアイドルさんって海外に発信していったりするようなテーマの人がいるからるなっち☆ほしもゆくゆくは世界に進出したいなって思いを込めて、そういうテーマを入れてほしいってお願いしました。
普段趣味で山登りしているのと地元の花笠を入れてみてはどうかと提案して、そしたら立秋さんが「意味が分からなくて最高ですね!」と乗ってくれて、私にしかできない奇怪曲が出来上がりました。「富士山」を作ってから山形でライブをしたんですけど、山形の人の本物のヤッショーマカショが聞けて凄く嬉しかったです。山形にも寄り添いたいのでこういう曲ができて良かったです。

⑤ IQ5000

るなっち☆ほし:この曲はかなり奇怪な曲ですね。タイトルコールで爆笑が起きる初めての経験をしました(笑)。
この曲はキャラソンが得意な印象があったのでこはる。さんにお願いしました。私、よく「IQ5000」って言っているなって。斜め上のエピソードが溜まっていてそれがエピソードとして入っています。この曲を作ったことによって音楽って自由だな、何を歌ってもいいんだって自分の中のリミッターが外れました。

──今まであまり作詞をしてこなかった理由などはあるんですか?

るなっち☆ほし:今まで自分で作詞をしなかったのはちゃんと書かなきゃいけないとか、みんなに全部見えてしまうのが恥ずかしいなって思っていて。でも「IQ5000」を歌ってからはこんだけぶっ飛んだ曲で成り立つなら何書いても良いじゃんってなったんですよね。アルバムが終わってからも作詞にも挑戦したいなって気持ちにもなりました。

「銀河に願いを」を再録した理由

⑥ Maintenance“I”droid

るなっち☆ほし:これはフリーランスになる前の楽曲で初めてこはる。さんに書き下ろしてもらいました。これも自分のパーソナルな部分が入っていてオンオフが激しいところ、ステージではオンだけど普段はオフでオーラがないとか。

──るなほしさん本人のことなんですね(笑)。

るなっち☆ほし:全部私のことです(笑)。バンジーが飛べないとか凄いチキンなエピソードとかも歌にしたら面白いとか、そういう曲作りがこはる。さん上手なんです。
シンガーソングライターの方って今の感情を出していくっていうのを色濃くやっていると思うので私もパーソナルな部分を出していかないとと思って。
電波ソングで明るくキャッチーになっているけど、実はこれが私なんだよって部分もあって私のことが良く分かるテーマソングのような曲になっています。

──曲順も良いですね。

るなっち☆ほし:「IQ5000」から「Maintenance“I”droid」を聴いたときのまとまりが良くて、サビのフィーバーというか確定演出のような感じが凄く好きで、こはる。さんも気に入ってくれているみたいです。
こはる。さん、Mr. Asyuさん、立秋さんはあまりライブアイドルに曲を書いたことがないと言っていたので、まだ誰も成し遂げていない部分を見つけてやれたなと思います。

⑦ SHOOTING☆STAR

るなっち☆ほし:1月のワンマンで披露するまでに半年かけたプロジェクトで、MVも含めると1年くらいかけた凄い愛情を注いだ曲です。お願いした時点で自分の進みたい道を決めて、私が売れていきたいっていう気持ちを込めてお願いしました。

──この曲がアルバムの象徴になっている印象が強いです。

るなっち☆ほし:真ん中に入れたのもそうですし、このアルバムの芯になる曲です。
私の昔から大好きな作曲家さんから書いてもらったことが凄く嬉しくてこの曲は何千回と聴いたかもしれないです。もともとMr.Asyuさんの曲が好きで、つらいときも楽しいときも毎日聴いてワンマンのしんどいときもお守り代わりにしていました。この曲を作ってもらったのは私なんだって、不安でグラグラした気持ちもこの曲があったから頑張れました。
私の名義で出していいのかなってドキドキしているんですけど、これを世に出せたことが本当に嬉しくて宝物です。

⑧ 銀河に願いを(再録ボーナストラック) ⑨ 銀河に願いを2

──8、9曲目は続いているんですね。

るなっち☆ほし:ひそかにメジャーアーティストがよくやっている2をやってみたくて(笑)。

── 一つのアルバムの中で1と2を続けてやるのは珍しくないですか?

るなっち☆ほし:そうなんですか? 通しで聴いて欲しかったので、気持ち的には「銀河に願いを」のアンサーソングとして「銀河に願いを2」が出来て、「銀河1」だけでも成り立っていたけど両方聴くと深みが増すなってことで繋げました。ファーストアルバムにも入っている人気曲なのでもっと広めていきたいと思って再録という形で入れました。

──歌詞についてのエピソードなど教えてください。

るなっち☆ほし:親友のかききまなみちゃんに「銀河に願いを」のアンサーソングになるものを作ってほしいとお願いしたんですけど、かなり難航したと思うんです。「銀河1」を超えないといけないプレッシャーとか、「銀河1」が私の楽曲の中でけっこうシリアスなので。

──アルバムの中でも影の印象が強いです。

るなっち☆ほし:「銀河2」は思い切りたくて初めての試みばかりなんです。叫んだりとか私の絶対出したくない部分をあえてさらけ出すというようなことをしました。でもお客さんがショック受けるかなとかこんなこと言ってほしくないとか思われるのが怖かったけど、私を表現するにあたってどうしても外せない部分だなって思ったので勇気を出しました。

──「銀河に願いを2」の完成度はいかがですか?

るなっち☆ほし:私が思った通り、かききちゃんは「銀河1」を超えてくれました。心から信頼しているし、かききちゃんの楽曲が好きでもっと広まってほしいという気持ちも込めてお願いしました。

──「銀河に願いを」の再録はどうでしたか?

るなっち☆ほし:私も超えなきゃといけないと思っていて、「銀河1」が自分の中では完成度が高いので前のほうが良かったって言われるのが一番怖いと思って。再録も緊張したんですけど、かききちゃんに聴いてもらったときにちゃんと成長してるって言ってもらえて嬉しかったです。
3年越しに録ったんですけど、やっぱり楽曲が良くても自分が成長してないと意味ないのでそれを認めてもらえたのが嬉しかったし、この3年間で全然歌い方も違うのでお客さんにも聴き比べてもらいたいです。

──かききさんといい関係ですね。

るなっち☆ほし:かききちゃんの曲が好きで私が頑張ることによってかききちゃんがもっと頑張るぞってなって作品がたくさん出たら嬉しいんですよ。ある意味Win-Winな関係というか。実際にそばで見ててくれていてワンマンとか生誕を一人でやろうとか私の役目が果たせているなと思いました。

「虹色の君へ」は自分らしさもありつつ、お客さんにも寄り添えるような曲

⑩ いちごミントの夏

──これは80年代アイドルっぽいですね。

るなっち☆ほし:恋愛ソングをあまり歌ってこなかったし、聴かせるバラードの曲が欲しいなと思っていたタイミングで作ってもらってけっこう切ない曲が出来上がったんですけど、実は凄く自分の実力のなさを痛感したんです。この曲の仮歌が凄い綺麗な声のボーカロイドだったんです。こんなに完成度高いならもうボカロで出そうよ…と思って自信を無くしたんですけど、凄い頑張ってレコーディングしたら綺麗に自分らしい曲になったなって安心したと同時にこの曲に考えさせられてしまって。作曲や編曲ができるわけじゃないから自分の歌に価値を付けていかないといけないのにAIに負けていると思っちゃって。自分の地声が元気でハキハキしているのにしっとりした声でできるのか凄い悩んだんですけど、作詞のまいさんがるなほしの声が好きだからって言ってくれたんです。私の声を買ってくれていたまいさんのおかげで私も頑張ろうと思いました。私の声を好きって言ってくれてありがとうございます。

── 一人称が僕なのはなにかこだわりはありますか?

るなっち☆ほし:今まで私視点が多かったんですけど、最近のアイドル楽曲は僕視点が多いので取り入れようと思ったんです。それが私の声とか語感に合っているねってまいさんが言ってくれて嬉しかったです。

──いちごミントの由来は何ですか?

るなっち☆ほし:タイトルに懐かしくて甘酸っぱい夏の青空が思い浮かぶワードを入れようってことで、そのイメージに近いのがドロップで、いちごとミントの飴を二人に見立てて夏休みの終わりを表しています。

──この曲はMVもありますね。

るなっち☆ほし:恋愛だから相手に男性を起用しないとかなと思ったんですけど、県民の顔が思い浮かんでアイドルは孤高でいないといけないと思って悩んでいたとき、監督さんにボーイッシュな女の子ならいいんじゃないって提案してもらって堂々とMVでいちごミントを再現できたなと思いました。MVもあまり作ってこなかったのですが、自分の生きている証でもあるのでこれからはどんどん出していきたいなと思って今回MVを3つ出します。それも楽しみにしてほしいです。

⑪ 虹色の君へ

るなっち☆ほし:小日向由衣ちゃんの曲は本当に歌詞が良くて、前回も書いてもらったんですけど今回はまた違ったテイストで、由衣ちゃんがライブで自分を表現している人なので私もライブで表現する曲を作りたくてアンコールとか最後の曲にふさわしい1曲が欲しくて依頼しました。

──中盤からどんどん切なくなりますね。

るなっち☆ほし:聴かせる系ですね。私がライブで見るペンライトが好きで、「虹色の君へ」でいろんな色のサイリウムを振ってくれたら嬉しいなっていう想像をしながら、ちょっとライブを意識した曲になりました。

──「虹色の君へ」のライブパフォーマンスについてはいかがですか?

るなっち☆ほし:今までは振付師さんとか、自分でやっていたんですけど、「虹色の君へ」はいろんな人に携わってもらっていいものを作ろうってことで振入れをお友達のルカタマちゃんにお願いしました。

──これは恋愛ソングなんですか? 恋愛とも友情ともとれるように感じました。

るなっち☆ほし:恋愛ソングじゃないですけど、お客さんと自分のちょっと切ない曲です。
聴き手に寄り添ってくれるような歌詞でもあるなと思います。由衣ちゃんは自分が独り歩きしない歌詞を書くのが上手だなとずっと思っていたので、私の破天荒で自分の好きを放出している中でこの「虹色の君へ」だけは自分らしさもありつつ、お客さんにも寄り添えるような曲にまとめてくれたなと思います。この曲がバランスをとってくれた感じがします。自分的にもこの曲を歌うのが好きなので最近は最後に歌ったりします。

──楽曲を依頼するうえで憧れの方と親しい方のバランスなどは悩みましたか?

るなっち☆ほし:ビックネームの人だけというのも素晴らしいですけど、一緒に戦ってきた人の楽曲も世間に響いて欲しい。自分が純粋に好きだからっていうのもあるんですけど、ソロアイドルなので一人で舞台に立つときもその人の顔が浮かぶようにっていう気持ちも込めて、かききちゃんの思いとか由衣ちゃんの意思とかを想像できたりするのでアルバムにどうしても入れたいって伝えてお願いしました。

──CDとデジタルの同時リリースは珍しいのでは?

るなっち☆ほし:凄く言われました。売り上げの部分で後からデジタルにしたら? とか言われたりもして。だけどおすすめされて調べて出てこないのはもったいないし、デジタルで全部出したほうが広まるなと思って。個人的にCDにもこだわっているので物として欲しいんじゃないかなって思っています。YMCKさんのドット絵を歌詞カードとか裏表紙にふんだんに使わせてもらっていて、帯のコメントは絵恋ちゃんにお願いしたりいろんな人の協力を得てできたものなので、CDとして「これは欲しい!」と思うものを作れたから今回はデジタルも安心して出すことにしました。

メジャーに行って夢をどんどん叶えていくのが最大の恩返し

⑫ triangle again

るなっち☆ほし:お客さんからもずっと音源化してって言ってもらえていて、やっと自分の曲として出せて良かったです。るなほしの作詞ってなかなかないので。

──地方から東京に出てきた女の子の話なのが分かりやすいですね。

るなっち☆ほし:良かったです。寄り添える歌詞とかになったかなと思います。これはアルバムに入れないとと思って、『音楽って最高!』のトリにふさわしいなと思ってこの曲も再録しました。

──「終わらないリズムで」という歌詞で終わっているのがタイトルの『音楽って最高!』にぴったりだと思いました

るなっち☆ほし:そうなんです。『音楽って最高!』のために作られたんじゃないかって思うけど、4年前に作っているからびっくりします。ここで伏線回収して改めて良い曲だなって思いました。そのときからライブアイドルの在り方について考えていたのかなって思います。ライブだけじゃなくて日常からるなほしの声を聴いたら元気出るなとか思ってもらえたらいいなとか、普段から歌を通してなら寄り添えることができるかなっていう思いでこの歌詞を書いたんだと思います。なのでCDでもデジタルでもいっぱい聴いてもらえたらと思います。

──それでは、これからの活動についてきかせてください。

るなっち☆ほし:私は現在、【声優としてメジャーデビュー】するために活動しています。今年1月のワンマンで初めてこの言葉を掲げました。この言葉が言えたのは、間違いなく今応援してくださるファンがいたり、周りの方々がフリーランスになったときにたくさん助けてくださったおかげでもあります。きっと受け止めてくれる。
そして私がメジャーに行って夢をどんどん叶えていくのが最大の恩返しだと思ったからです。そのために現在目まぐるしく活動を進めていて、アルバム発売後もいろんなことを考えています。なので、今後もるなっち☆ほしを応援してて楽しいなーって思えるように私も頑張ります! 期待していてください!

──ツアーについてはどうですか?

るなっち☆ほし:今までの界隈から飛び出たことをやっていきたいと思っていて、ツアーで名古屋、大阪に行くのも初めてなので凄いドキドキしているんです。今までだとワンマンが終わって、その後の告知がゆっくりになってしまってお客さんが一回立ち止まっちゃうことが多くてその時間がよくないなと思って、ワンマンでは次もあるぞって応援しがいがあるようなことをしたくてアルバムとツアーを発表して、バンドも大きいことをやっていこということで提案して、お客さんも今回のアルバムの告知で盛り上がってくれているけどツアーでも更に盛り上がってくれるんじゃないかと思います。
ツアーの千秋楽でるなほしバンドで全曲やるんですよ。多分皆さん「IQ5000」とかバンドでできるのか気になるじゃないですか(笑)。なのでぜひ遊びに来て欲しいです。
今年のるなっち☆ほしは今まで見たことないものを皆さんにお届けできると思いますので、楽しみにしてください!

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