静岡市の田辺信宏市長が4月12日、市長として最後の日を迎えました。12年にわたり静岡市のトップとして行政の指揮を執ってきた田辺市長がもたらしたものとは?
<静岡市 田辺信宏市長>
「おはようございます」
12日、最後の出勤風景。静岡市の田辺市長は満面の笑顔でした。
<静岡市 田辺信宏市長>
Q.寂しさとかは?
「感慨深いですね。でも達成感があります」
いまから12年前、49歳で初当選を果たした田辺市長。東日本大震災直後だったこともあり、津波避難タワーの建設など防災対策に力を入れました。
<静岡市 田辺信宏市長>
「静岡市はついに待機児童ゼロを達成しました」
本人が最も胸を張るのは子育て政策。市の子ども未来局を独立させ、一時150人を超えていた待機児童を6年連続でゼロにしました。
一方で、知事との不仲は世間の注目を集めました。
<川勝平太知事>
「キミのためじゃない、私のためでもない」
<静岡市 田辺信宏市長>
「キミ、キミとおっしゃいますが、静岡市長ですけど。ずっと気になっていた」
長年の課題だった人口減少にも歯止めがかからず、政令市の目安である70万人を割ったままです。
今回、4期目をあきらめるきっかけになったのは、2022年9月の台風15号。浸水や断水の被害に対する対応の遅さが目立ちました。
<滝澤悠希キャスター>
「いま田辺市長のもとに、難波新市長がやってきました。笑顔を見せています」
市民が新しい市長に選んだのは、危機管理で実績を積んだ難波喬司さん。
<静岡市 田辺信宏市長>
「これマイ万年筆なんですよ」
<難波喬司新市長>
「あ、そうですか。じゃあ私もそうしましょう」
12日、田辺市長と難波新市長が引き継ぎに関する書類にサインしました。
<静岡市 田辺信宏市長>
「これから8年間の行政計画、しっかり仕上げましたので、市政運営をどうぞよろしくお願いします」
自らの評価が定まるのは2030年ころだと話す田辺市長。今後の人生計画は白紙ですが、趣味の万年筆のメンテナンスに時間を使いたいと話しています。