【動画あり】陸自ヘリ、150メートル近くの低高度で飛行か 防犯カメラに直前映像の可能性 事故から1週間も捜索活動続く

 宮古島市沖を飛行していた陸上自衛隊のヘリコプターが6日から行方不明となっている事故で、当該ヘリが消息を絶つ直前に航空法の最低高度(150メートル)に近い低さで飛行していた可能性があることが12日、分かった。琉球新報が入手した防犯カメラの映像に当該ヘリとみられる飛行体が捉えられている。防衛省も映像を入手し、分析を進めている。13日で事故から1週間が経過するが、搭乗していた幹部ら10人の行方や有力な手がかりは見つかっていない。
▼なぜ熊本の第8師団が宮古島に 
 防犯カメラの映像は、ヘリの機影がレーダーから失われる5分前の午後3時51分に宮古島の狩俣小学校で、3分前の午後3時53分に池間島の池間小中学校(ともに宮古島市)で撮影された。
 ヘリの飛行高度について、防衛省関係者は具体的な高度はこれから分析するとしながら「低く飛んでいたとみている」と語った。自衛隊関係者は「地形の偵察であれば、150メートルぎりぎりまで高度を下げて飛ぶことは当然、予想される」と述べた。
 一方、池間小中学校の関係者の男性は「事故機が池間島を通過した時間帯に職員は建物内で会議をしていたが、何も聞こえなかったし、気付かなかった」と話した。
 自衛隊と海上保安庁は6日夕から24時間態勢の捜索を続ける。自衛隊は基本的に航空機6機。艦艇は12日まで3隻だったが、13日には掃海艇1隻を追加して4隻に変更した。海底に機体が沈んでいる可能性があるとみて捜索を続けている。海保は巡視船4隻で捜索を続けていたが、9日夕から2隻に減らした。
 これまでに事故機が消息を絶つ2分前まで下地島空港の管制と通常の交信をしていたことや、その際に緊急事態を伝える内容ではなかったことが明らかになっている。衝撃や浸水で自動発信されるはずの救難信号や、手動の救難発信も確認されていないため、防衛省は急激なトラブルだった可能性が高いとみて調査を進めている。(明真南斗、友寄開)
【関連記事】
▼【写真】燃料タンクとみられる漂流物を回収 陸自ヘリ事故 
▼【動画】不明ヘリか 飛行中とらえた動画 宮古沖陸自ヘリ事故 「どうか生きて帰って」
▼陸自ヘリ事故 目撃情報あった海上で発見物なし 防衛省 
▼【写真】10地点に浮遊物12個を確認 「陸上自衛隊」と記載も

© 株式会社琉球新報社