<井手キャスター>
いわゆる「袴田事件」で袴田巖さんの裁判がやり直されることになり、4月10日に行われた裁判所、弁護側、検察の三者協議の裏側について取材をした伊戸川洋輔記者が解説します。静岡地裁で開かれることになった袴田巖さんの再審公判で、検察は有罪立証をするけれども、新たな証拠はなさそうな上に「5点の衣類」には触れられたくないということですか?
<伊豆川洋輔記者>
そうですね。誰が見ても検察が不利な状況には変わりありません。そうなるとやり直し裁判がいつ始まり、いつ判決が言い渡されるかが重要なポイントです。死刑事件で再審が始まるのは袴田さんで5例目。過去4件はいずれも再審開始が決まってから1年以内にはやり直しの裁判が始まっています。いずれも最終的には無罪判決が言い渡されていますが、検察は有罪を立証し、死刑を求刑。やり直し裁判の期間は、おおよそ1年から2年半です。
<井手キャスター>
1980年代の4件の死刑事件では検察はすべて「有罪立証して、改めて死刑求刑をした」ということですね?
<伊豆川洋輔記者>
そうですね。検察OBの若狭弁護士は、検察は触れられたくない「5点の衣類以外」で、つまり「5点の衣類」を除いた「それ以外の証拠」で死刑求刑をする可能性はあるとみています。