備前・頭島のカフェ充実へCF 観光情報発信や特産品販売も計画

「かも食堂」の店内で空間づくりを考える井上さん夫婦

 備前市地域おこし協力隊の井上なほ子さん(37)と夫の卓也さん(37)が同市日生町の頭島にカフェ「caf〓(〓は「e」の上にアキュートアクセント)かも食堂」を開店した。鉄工所跡を再生させた店内ではスイーツや飲み物を提供。充実した空間をつくろうと特産品販売や観光情報発信も計画中で現在、クラウドファンディング(CF)で資金を募っている。

 東京から2022年4月、知り合いがいる縁で同町に移住した。家業だった町工場の廃業と新型コロナウイルス禍に直面する中、それまでの生活を見つめ直し、漠然と思い描いていたカフェ開業を実現させようと決めた。

 漁港近くに立つ2階建て建物の1階を利用。店内(約65平方メートル)は、北欧風のシンプルな内装でカウンターとテーブルに約10席を設けた。程よい甘さのシフォンケーキやすっきりした味わいのコーヒーなどをメニューにしている。

 オープン(3月)は口コミで広がり、毎日のように島のお年寄りが来店したり島外のNPOが和菓子作り教室の会場に利用したりと、滑り出しは順調という。

 備前焼などの販売スペースや観光地図の配布コーナーを設けるほか、音楽や映画の書籍を並べる本棚を置く考え。山陽新聞社や中国銀行などが運営するCFサービス「晴れ!フレ!岡山」で費用を賄おうと、100万円を目標に28日まで支援を募っている。

 渡り鳥のカモにちなみ店名を付けた。2人は「多くの鳥が各地から集まり羽をゆっくり休める池のような場所にしたい」と話す。

 詳細や支援は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/kamo_shokudo)。

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