浮世絵で巡る東海道 那珂川の広重美術館で企画展 前半は日本橋から袋井まで60点

東海道を描いた60点の浮世絵が並ぶ企画展会場

 【那珂川】江戸時代後期の浮世絵師歌川広重(うたがわひろしげ)(1797~1858年)の代表作を巡る企画展「広重の東海道五十三次-浮世絵でつづる江戸から京への旅」の前半が5月7日まで、馬頭の町馬頭広重美術館で開かれている。江戸・日本橋から静岡・袋井までを描いた60点が並ぶ。同館は「各地の食べ物を味わったり、名物を見物したりする人々が描かれ、当時の旅の様子が想像できる」としている。

 広重は30代半ばに東海道の53宿場を描いたシリーズ「保永堂版・東海道五拾三次之内」で有名になった。その後も「行書東海道」や「竪(たて)絵東海道」を描いた。

 企画展では、広く知られている保永堂版と晩年の竪絵東海道シリーズの日本橋から袋井までの全作品に、二つのシリーズ以外の作品も加えた60点を展示。日本橋を行き交う人々や大名行列が川を歩いて渡っている様子、富士山や三嶋大社といった風景を描いている。

 同館の太田沙椰香(おおたさやか)学芸員によると、初期と晩年の作品では色合いや絵の構図などに違いがあるという。太田さんは「広重が有名になった頃の作品から晩年の作品までを見比べて楽しんでほしい」と来場を呼びかけている。

 5月13日から始まる後半では、袋井の次の見附から京師(京都)までを展示する。

 午前9時半~午後5時(入館は4時半)。大人500円、高校・大学生300円。月曜休館。(問)同館0287.92.1199。

東海道を描いた60点の浮世絵が並ぶ企画展会場

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