96歳現役スケーター 宇都宮の樋山さん 骨折克服、16日には発表会

若い人たちに交じり練習する樋山さん

 【宇都宮】90歳代後半になっても、城南3丁目の市スケートセンターに毎日のように通う現役スケーターがいる。鶴田町、元教諭樋山久子(ひやまひさこ)さん(96)。16日には、同センターで開かれる「アダルトスケーターの発表会」に出場する予定。樋山さんは「人が見てるのでちゃんとできるか分からないけど、自分の滑りができればうれしい」と笑顔を見せた。

 樋山さんは、宇都宮第二高等女学校(現宇都宮中央高)卒。栃木師範学校(現宇都宮大)に進み、小学校の教諭となった。横川西小や姿川第一小などで教べんを執り、両親の介護などのために58歳で退職した。

 同女学校には当時、冬になると庭に水を張った自前のスケートリンクがあり、スケートをして遊んでいた。教諭時代も、冬に開かれていたスケート教室に児童を引率し、女学校時代を思い出していたという。

 60歳を過ぎ、両親をみとり生活が一段落すると、学生時代を思いだし「スケートをやろう」と一念発起。日光市内のスケートリンクに通い始めた。シーズン中は車で毎日のように通い、65歳の頃には、日本スケート連盟のバッジテスト1級を取得するまで上達した。その後もスケートを続け、約18年前からは市スケートセンターで活動する「宇都宮フィギュアクラブ」に所属している。

 5年前、スケート場で転倒し足を骨折した。それでも競技からは離れず、「氷上に立っているだけでもいい」という思いで懸命にリハビリを続け、昨年春に見事復帰。技術を磨くべく、現在も同クラブで日々レッスンを重ねる。

 樋山さんについて、コーチを務める伊沢摩衣(いざわまい)さん(41)は「クラブの模範」と評し、「高齢になってうまくできない部分もありますが、負けず嫌いで今でも向上心がすごい」と絶賛している。

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