「かやぶきの里」杉皮葺のバス停リニューアル トイレも洋式化

杉皮葺の屋根がふき直され、風情が増したバス停(南丹市美山町北・かやぶきの里)

 京都府南丹市美山町北にある国の重要伝統的建造物群保存地区「かやぶきの里」にある公衆トイレが改修された。洋式化した他、おむつを取り換える台を設けた。里の入り口に位置するバス停の屋根の杉皮葺(ぶき)もふき直され、一帯の風情が高まった。インバウンド(訪日客)需要が回復する中、誰もが使いやすく、魅力的な観光地にしていきたいという。

 2カ所にあるトイレは、老朽化を受けて市が改修した。利用者に不評だった和式から洋式に変更。和式を使い慣れていない人や、膝に不安がある高齢者らに対応した。おむつを換える台も新設し、子連れなどに配慮した。

 バス停は、かやぶき家屋が並ぶ景観になじむ杉皮葺が特長だったが、近年の台風で一部が吹き飛ぶなど、傷みが目立っていた。3月に北地区の事業としてふき直した。杉の皮を積み重ねた美しいバス停を見た観光客は、盛んに写真を撮影して喜んでいる。観光パンフレット入れや、傘掛けも新たに設けた。

 北村かやぶきの里保存会の中野忠樹会長は「トイレの善しあしは観光地の魅力を左右する。お客さんを迎えるバス停もきれいになり、喜んでいる」と話した。

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