久光スプリングス 輝きを取り戻した西村弥菜美(東九州龍谷高出身) 【大分県】

バレーボールのVリーグ女子1部の久光スプリングスの西村弥菜美(東九州龍谷高出身)の活躍が光る。岡山シーガルズから久光に移籍した今季、アウトサイドヒッターから守備専門のリベロにコンバートされ再び才能が開花した。今季のサーブレシーブ成功率74.8%でサーブレシーブ賞を受賞、その優れたレシーブ力が認められ日本代表登録メンバーに選出された。

西村は高校時代にリベロでプレーし、3年時の全国高校総体で優勝した。当時をよく知る東九州龍谷の相原昇監督は「攻撃の始まりとなるサーブレシーブの安定感は抜群で、ピンポイントでセッターにパスを返すことができた」と述懐する。コートをはうような低い姿勢で強烈なサーブもスパイクも拾った。「当てるのではなく、いったんボールの勢いを止めて、腕に乗せて、そこから体全体でボールをコントロールして送りだすといった感じ」(相原監督)。高校の頃からレシーブは一級品だった。

コートをはうような低い姿勢でレシーブする

卒業後は岡山でアウトサイドヒッターとして4シーズンプレーした。思うような結果を残せず現役引退を発表したが、高校時代の同級生だった中川美柚に「もう一度、一緒にプレーしよう」と誘われ、久光で現役復帰を果たす。久光には東九州龍谷高出身の先輩と後輩が6人いた。多くの刺激を受け、高校時代のキレと輝きを取り戻し、本来のポジションにコンバートされたことで活躍の場が広がった。

守護神となった西村の調子が上向くと同時にチームはリーグ戦9連勝で上位4チームによるプレーオフ「ファイナル4」に進出した。ただ、ファイナル4では勢いに乗れず2連敗、西村は「リーグ戦のいい流れに乗ることができず、勝ち切ることができなかった」と試合後に悔し涙を浮かべた。今週末の試合が今季の最終戦となる。西村は「今季チームがテーマとしていた一体感を出し、支えてくれた方のために感謝の気持ちをプレーで表現したい」と決意を口にした。

チームに欠かせない存在となった西村弥菜美

(柚野真也)

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