全国高校選抜大会 フェンシング女子 発展途上の別府翔青3人組が準優勝 【大分県】

3人合わせてフェンシングの経験は4年足らず。発展途上の3人組が日本一に迫った。全国高校選抜大会の女子団体エペに出場した別府翔青の足立悠(3年)、竹内花菜子(2年)、藤田美晴(同)は、高校入学を機にフェンシングをはじめた。2年生の2人は、初めての全国舞台であったが気後れすることなく、エース足立とともに決勝が行われたメインピストに立ち、脚光を浴びた。最後は力尽きたが、準優勝に輝いた。

大会前日に会場入りしたメンバーは、「メインピストに立ったら気持ちいいだろうな」と話したという。気負いはなく、程良い緊張感を楽しむ3人を見て、佐藤麻依子監督は「(決勝まで)行けるイメージができた」。試合当日は、多くはない戦術を徹底することだけを伝えた。「競技をはじめて1、2年。できることは限られているが、自信を持って、戦術を信じることができれば勝てる」。試合中は静かに見守り、選手が救いの手を求めれば的確なアドバイスで迷いをなくした。

全国高校選抜大会準優勝の別府翔青メンバーと佐藤監督

1チーム3人が総当たりで9試合を行い、計45点取った方が勝ちとなる。負けず嫌いで完璧主義者、1年生の頃から貪欲に競技に向き合った足立は、174cmの長身と手足の長さを生かしたスピード感あふれるアタックでポイントを稼いだ。相手の仕掛けを利用して技を繰り出すリアクション型の竹内と藤田は、無駄な失点をしなかった。

「全員が役割を理解し、相手との力関係を把握しながら試合を運べた。試合中の掛け声もポジティブな言葉ばかりでチームとしてまとまっていた」と佐藤監督。準々決勝、準決勝はともに3ポイント差の僅差の勝利で勝ち上がり、決勝は連覇を狙う相手に大差で敗れた。足立の「決勝まで上がれた満足感はあるけど、最後に負けた悔しさはある」との言葉は、全員の思いを代弁したものだ。全国で勝つ喜びと負ける悔しさを知ったことが、次への糧となる。夏の全国高校総体に向けて、新たな目標「日本一」を目指す戦いが始まった。

結束力で勝利を勝ち取った

(柚野真也)

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