平和を歌う合唱団「ひまわり」 YouTube始めました

主宰の寺井さん(左)と「YouTube班」の柴田さん(左から2人目)ら=長崎市家野町

 「被爆者歌う会『ひまわり』」を母体に発足した市民合唱団「平和を歌う合唱団『ひまわり』」が、会の活動や楽曲を紹介しようと新たにユーチューブチャンネルを開設し、1本目の動画を公開した。
 「ひまわり」は2004年に「世界唯一の被爆者の合唱団」として発足し、10年から8月9日の長崎市の平和祈念式典で歌唱してきた。会員減少などの理由から昨年の歌唱を最後と発表し、同10月に被爆者以外の市民を加え再スタートを切った。
 昨年12月にあった懇親会の場で、会員の柴田鈴江さん(69)が「ユーチューブなどで発信してはどうか」と提案。今年1月に有志を集め、動画作成を一から勉強して取り組んだ。
 被爆2世として平和や核廃絶への思いを持っていた柴田さんは、退職を機に昨年6月から「ひまわり」の練習に顔を出すようになった。参加してみて「純粋にもっと歌を知ってほしいし、団員も増えてほしい。会も楽曲もこのまま失いたくない」と感じた。同世代でもCDを聞かない人が増えており、ユーチューブでの発信を思い付いた。
 50~70代の有志5人で「YouTube班」をつくり、計画やビジョンを決めた。パソコンの講習や役員との会議などを重ね、約1カ月かけて1本の動画を作成。今後は、英語での発信や地元のアーティストなどとのコラボも企画しているという。
 記念すべき1本目の動画は5分35秒。前身の「ひまわり」が昨年の平和祈念式典で歌った「もう二度と」の映像や、これまでの活動の歩みを紹介している。
 12日に公開した。主宰の寺井一通さん(74)は「アピールを頑張ってほしい」と期待を寄せる。柴田さんは「無事アップされてよかった。大きな目標は収益化。勉強しながら、また考えてやっていきたい」と意気込みを語った。

ユーチューブで公開した動画のサムネイル

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