被爆体験を語り継ぐ 若者朗読サポーター 渡邊さん、岩永さんが加入 「永遠の会」活動に意気込み

若者朗読サポーターの渡邊さん(左)と岩永さん=国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館

 国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館の朗読ボランティア「被爆体験を語り継ぐ 永遠(とわ)の会」は今月、高校生から25歳までを対象にした「若者朗読サポーター『永遠の会 U-25』」を新設し、県立大1年の渡邊紗羽さん(18)と県立長崎南高2年の岩永陽美さん(17)の2人が加入した。
 会員の平均年齢は66歳で、ボランティアの拡充と朗読の継承につなげようと、2月から募集していた。サポーターは、主に被爆体験記朗読活動の補助や、交流サイト(SNS)での情報発信を担う。活動は学業などに合わせて調整可能で、サポーターも指導を受けて定期朗読会で発表できるよう育成する。
 渡邊さんは県立長崎北高放送部時代に原爆や平和をテーマに活動。教員からサポーターの取り組みを紹介された時、「入っていいのかな、できるかな」と悩んだが、「平和に関わることをやりたい。できる限りやろう」と決意し、応募した。
 岩永さんも放送部に所属。小学生の時に同館で朗読を聴き、平和について興味を持った。加入は締め切り直前まで悩んだが、1人で飛び込んだ。「できるのか不安で緊張しているけど、平和のことを次の世代に伝えたいという思いがある」と力を込めた。
 渡邊さんは9日、同会が毎月9日に開催している朗読会「9日を忘れない」でMCデビュー。開始前と終了後の案内を堂々と読みあげた。渡邊さんは「これから(会を)知らない人や同じ大学生にも興味を持ってもらえるように活動したい」と意気込んでいる。
 企画した大塚久子代表(65)は「2人が勇気を持って門をたたいてくれたことがものすごくうれしい。会のやり方に合わせるだけでなく、その世代が感じること、持っているものをそのまま発信してほしい」と期待を込めた。
 サポーターは年度途中でも加入できる。問い合わせは同会事務局(電095.814.0055)

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